中紀・日ノ岬沖 タナ攻めズバリ40cmイサギ

筆者のロッドを締め込む強い引きをみせた40センチのジャンボイサギ

<乗合船FISHING>

体高があり、ぼってりと肥えたジャンボイサギを求めて先日、釣友の山本賢一さん(泉南市)と中紀・日高阿尾港の乗合船「共栄丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で日ノ岬沖へ出た。潮の動きが鈍くてタフな釣りだったが、ピンポイントのタナを攻め、午前11時すぎまでに狙い通りの40センチを筆頭に28センチまでを2人で45匹釣り上げた。竿頭は常連の川田さん(奈良県)で28~38センチを30匹ゲット。日ノ岬沖のイサギは産卵前で脂がよく乗っており、食味が抜群。これからが数も釣れだす本番で7月末まで楽しめる。【日刊FPC・多田正人】

日ノ岬沖のイサギは型の良さが魅力だ。特にこの時期はよく肥えていて迫力満点。そんな40センチ級を釣ってやろうと午前4時半ごろ、阿尾港を出船。一級ポイントのトフに入った。沖は潮止まり前で上り潮がゆっくり流れる。

さっそく、鉄仮面(スチールテンビン120号)にアミエビを八分ほどに詰め、スタンバイ。イカリが投入され、脇山雅人若船長から「水深49メートル。底から5~10メートルに反応があります。根に気を付けて探ってください」という指示が出たところで一斉に釣りを開始した。

仕掛けを下ろし、底から5メートルほど引き上げ、竿をあおるとすぐにブルブルグングン。取り込んだのは丸々と肥えた30センチ超のイサギ。このサイズでもかなりおいしそう。朝の時合かとすぐに鉄仮面にまき餌を詰め、同様に探るとグングンと続けてアタリがきた。しかも先ほどよりも引きが強く、竿先がグッグッグッと水面にもって行かれる。イサギは口が弱いのでゆっくり引き上げる。海面下に姿を見せたのは良型のダブル。1匹ずつタモ入れし、測ると30センチと35センチ。これまたぼってり肥えている。

今日は入れ掛かりかも! と、にやつきながら再び仕掛けを下ろすが、今度はアタリが弱い。掛かったのは小アジ。潮が緩んだようで、その後も小アジが続き青ものらしきバラシも。仕方なく船長が次のポイントへ。水深は50メートル。「ここも底から5メートル上に反応が出ています」と船長。イサギはピラミッド状に群れ、上層に大型、その下に小型というのがセオリーだが、上層を狙ってもまったく反応しない。底から3~8メートル上で大型も小型も混在している感じ。

それならと、きっちりタナを合わせてまき餌をきかせるとポツリポツリと釣れる。そして午前9時すぎ、下り潮が流れだすとイサギの食いが上昇。山本さんが底から5メートル上で1投1匹の入れ掛かり。私も同じタナでまき餌を打ち、竿を大きく上げてストンと下げ、しっかり止めるとゴンゴン。

今までにない強い引きでロッドがグッグッグーとしなる。慎重に締め込みをあしらい、タモに収めたのは濃い茶色をしたボテボテの40センチ。迫力満点の獲物を手に「こいつを釣りたかったんや」と思わずにんまり。

その後も手返しよく釣っていくと順調に30~35センチが釣れ、午前11時までに28~40センチを2人で45匹釣ったところで納竿。匹数は伸びなかったが、脂が乗ったナイスボディーぞろいに「これからの盛期が楽しみやな」と2人で期待を膨らませながら沖をあとにした。獲物は刺し身で食べるとうまみがあり絶品。揚げてあんかけにしたものはビールのあてに最高だった。

【今後の見通し】日ノ岬沖のジャンボイサギはこれからが面白い。水温がもう少し上がれば連掛けが増えて数、型ともに期待できる。共栄丸の最長寸記録は2017年に上がった52センチ(2キロ)。昨年も47センチが釣れており、期待が膨らむ。

【問い合わせは】共栄丸【電話】0738・64・2318。乗合船料金1万1000円(エサ、氷付き)。朝便は午前3時45分までに集合。午後便は午前11時までに集合。電動リールセット(竿受け付き)2000円。手巻きリールセットは1000円。

【交通】阪和自動車道の御坊ICを出て右折。野口新橋を渡り、県道26号を走って財部の信号を右折し国道42号を北へ。JR紀勢本線の紀伊内原駅前の信号を左折。県道189号、同24号を走り、阿尾港へ。

和歌山のイサギ釣りは「日刊銀鱗倶楽部加盟店」におまかせ!! 他にも美浜町の福丸観光漁業【電話】0738・23・1091、千代丸【電話】同・23・1621、南塩屋の谷野丸【電話】同・22・4487、湯浅のかるも丸【電話】0737・62・3527、なぎ丸【電話】同・62・3890がある。