千葉・内房富津 手ぶらでサオ使わないマダコ釣りへ

サオは使ってないけど、木村さんはこの日最多の7匹を仕留めてサオ頭だった

<ママも一緒に!家族で釣り>

東京湾 夏のマダコ 絶好調-千葉・内房の富津「みや川丸」(宮川淳船長)のマダコの数&大きさがともに伸びている。300~500グラムの“小玉”も掛かるのだが、1キロ超も乗ってくる。6日には4キロも記録した。なんとこのマダコ釣りはサオを使わず、すべてレンタルでできるので手ぶらでいけますよ!

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取材日は5月31日。この日はベテランさんばかり。「タコボウズさん(寺沢のことです)、とも食いになっちゃうから講習はやめとく?」と宮川船長がニヤリ。みや川丸では、出船前に釣り方について丁寧な講習会を催す。ただ、講習無用のベテランさんばかりなので、宮川船長はジョークを交えて話し掛けてきた。

とりあえず「ヤラセ」ではあるが雰囲気だけの写真をパシャリ。マダコ釣りで使う仕掛けは、ハリガネを研磨して手作りするテンヤバリをオモリと合体させる。イシガニをテンヤ仕掛けにグルグル巻きにする。渋糸と結んで、手で海底をトントンとたたいて、カニをゆらゆらさせてマダコを誘うのだ。かなり独特だ。

そんなこともあって、未経験者や慣れていない釣り人用に講習会を実施している。

宮川船長 初めてきた人も釣っていきますね。しかも大きいマダコを持っていく。サオを使わないけど、手の感触の方が分かりやすい人もいるようですね。

出船前の講習会があるから心配はないけれど、簡単に釣り方を紹介しよう。ちなみにマダコは「釣る」とは言わない。「乗る」という。カニを巻いたテンヤ仕掛けに誘われて底付近にいるマダコが覆いかぶさってくる。テンヤ仕掛けにまさに乗ってくるのだ。

重要なのは3点。

(1)必ず底から仕掛けは離さない マダコは海底から離れないので、確実に底をとらえて渋糸を手で持ってトントンと底をたたく。底から浮いたら乗らないと思った方がいい。

(2)乗ったら緩めない テンヤバリには返しがない。つまり、マダコがカニに抱きついたら離れない、というあたりを信じないといけない。渋糸をたぐるときに張ったままをキープ。ちょっとでも重さを感じたら巻き上げてみよう。

(3)取り込むときに手を伸ばす マダコには吸盤がある。平面に張り付くと、ちょっとやそっとでははがれてくれない。だから、取り込むときはちょっと海側に手を伸ばしてみよう。

この日のサオ頭(その日に一番数多く釣った人)は「海のおじさん」こと木村尚(たかし)さん(62)で7匹だった。木村さんは海中に潜って海の生物を観察することが得意。「マダコは、何かに抱きついてもちょっとした変化があるとすぐに離れてしまう。だから重さを感じたらちょっと渋糸を送ってあける」と木村さん。

サオ頭の金言は大事。マダコに抱きつかせる余裕を与えることがキーポイントになりそうだ。このマダコを誘いだすイシガニだが、共栄会(日刊スポーツの船宿団体)の関東と東北地区の交流会があったときに宮川船長が松島「善松丸」から紹介されて宮城から取り寄せるようになったという。好釣の秘密は宮城産のイシガニなのかも。【寺沢卓】

◆船 富津「みや川丸」【電話】0439・87・4137。受け付けは午前5時に船前で開始、集まり次第出船。仕掛けなどはすべてレンタル可能で、持ち帰り用ネット、氷、ゆで方&下処理レシピの冊子がついて高校生以上9000円、中学生以下と女性は6000円。レシピはみや川丸のHPにも掲載してまーす。