東京湾 ひと雨ごとに夏タチでかく 攻略のヒントは

鋭いキバが特徴のタチウオ。東京湾で闘ってみませんか?

<ママも一緒に! 家族で釣り>

夏タチ-ここからが本番! 東京湾では5月下旬からタチウオ釣りが開幕した。正直なところ、今年は全体的にやや細めで「えっ、サンマ?」というサイズが目立っている。でも、この梅雨が大きな味方になっている。どうやら、ひと雨ごとに体が大きくなっている。東京湾では初心者からベテランまでが熱中する大人気魚種。9月21日には日刊スポーツ主催で「大タチウオ東京湾大会」を実施します。

今、東京湾で年間を通して、もっとも集客できる魚種といえば、タチウオだろう。しかも“夏タチ”はファンの心をかきむしる。東京湾では、川崎「つり幸」が5月24日に「ジギング五目」でタチウオのルアー船を始めた。浅場のサバに脂が乗ってきたこともあり、タチウオが空振りしたときの“保険”にもなる。

タチウオの大きさは1メートル超が大型のバロメーターになるのだが、体高を指の数で表現するのが一般的だ。指の太さは個人差があるが、細かいことにこだわらず「フィンガー」の「F」として数字と組み合わせたい。

サンマサイズは指2本分の「F2」、1メートルには満たないものの満足できる「F3」、「F4~5」になると体長1メートル以上で体の厚みも増してくる。今後、体長が120センチに成長すると「F6~7」のドラゴン級も食らいついてくる。

滑り出しは良かった。5月24日、つり幸で110センチがヒットした。2日後、最大で124センチ。この情報で東京湾がざわついた。夏タチの幕開けは、なんとなく梅雨明けのはずが、入梅前にF5級が出てしまった。八景「太田屋」が6月4日、新安浦「長谷川丸」は同9日、久里浜「大正丸」は同17日に初日を予定していたが、待ち切れないファンに押されて13日に“刀狩り”に打って出ている。

記録だけを見ると大きな個体も食らいついてきているが「主流はF2の細い“脇差し”クラスです」とつり幸の水野聡船長は苦笑い。

ただ、東京湾に雨が突き刺さるたびに「タチウオが少しずつだけど大きくなってるよね」とは長谷川丸の岩瀬正紀船長。梅雨前線が列島上空に横たわるこの時期、タチウオは着実に脂を蓄えて大きくなろうとしているのかもしれない。

攻略法は特にない。その日によって食い付き方が違うからだ。それでもヒントはたくさん釣り場に転がっている。

ルアーの場合、120~150グラムのメタルジグを複数の色を用意しておく。釣り場に着いたら、船長がタナ(魚の回遊層)を海面からの深さか、底から上にどのぐらい浮いているのかを指示するので、その間をシャクりながら途中ポーズ(動作を止めること)を1秒ほど挟んで誘ってみるといい。

エサでは、この誘いを入れるタイミングをはっきりさせるといい。リールを一定スピードで巻きながら、途中でリールの回転を止めて、サオだけゆっくり上げてみる。コツコツとドアをノックするような衝撃を感じたら、その深さを重点的に通してみると効率がいい。

ルアーもエサもリールの回転は1回のシャクりで1回転させるときもあるし、小刻みに8分の1回転のときもある。それはその日の傾向なので、いろいろとチャレンジしてみよう。

注意したいのはハリの大きさ。開幕から6月中旬までは「1/0」サイズの掛かりが抜群に良かった。今後、成長したタチウオには「2/0」サイズも適合するかもしれない。「東京湾は1/0サイズ」と決め込むのではなく、柔軟に「2/0」や「3/0」なども準備しておくといいだろう。

9月21日には「大タチウオ東京湾大会」と称して、前出4地区の合同大会を実施する。ルアーは「3匹重量」、エサは「総匹数」での計量・審査となる。今年デビューした人もベテランも同じ条件で楽しく競います。まだ、時間はあるので、腕を磨いて下さいね。【寺沢卓】

◆大タチウオ東京湾大会 9月21日(土)実施。ルアー「3匹総重量」、エサ「総匹数」。同量、同数の場合、最大魚(長さ)の長い方が上位、同寸の場合は年齢が先輩に軍配。

東京湾の釣り場に各船午前8時集合。納竿(のうかん)は午後1時。本部の横須賀・新安浦港で検量と表彰式。

川崎「つり幸」新安浦「長谷川丸」はエサ&ルアー、八景「太田屋」はルアー、久里浜「大正丸」はエサ。募集は各20人、それぞれの船宿に直接申し込んでください。