東京湾28年ぶりマダコフィーバー 釣り方教えます

7月24日、鶴見「新明丸」のテンヤ仕掛けで釣れた5キロのマダコ。いるねぇ、モンスター

<ママも一緒に!家族で釣り>

さて、予告通りに東京湾のマダコについて特集しまーす。今夏はマダコがわいているんです。何でなんだろう? どうやら今年の天候に影響しているみたい。それと今年の傾向として、サオを使って釣るエギダコが大流行している。どうやって釣るんだろう? この夏休み、家族でチャレンジするには、もってこいですよ。

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今年の夏、東京湾の2大人気はタチウオとマダコ。初心者にも入りやすいマダコ釣りにスポットを当ててみる。

マダコが大量発生する年が数年に1回あるが、今回は尋常ではない。鶴見「新明(しんみょう)丸」新明利勝社長に聞くと「これね、1991年以来のタコ祭りですね。たしかに5年前にもわいたけど、その比じゃない。まだ、9月まで続くでしょう」と証言する。えっ、28年ぶり?

1991年、何があったのか?

新語・流行語大賞はチャーリー浜の「…じゃ、あ~りませんか?」だった。東京・芝浦にディスコ「ジュリアナ東京」ができて、ボディコン&ワンレン女子が扇子を持って平成のタコ踊りで熱狂した。大横綱千代の富士が引退して若貴ブームに取って代わった。宮沢りえのヘアヌード写真集が出版されて驚かされた。米国からの牛肉とオレンジ輸入自由化で日本の食卓が変わりつつあった。

バブルと一緒にマダコでわいた年だった。

いや、そんな世相の問題ではない。今年と91年、何か共通点があるはずだ。

梅雨が長かったのだ。91年の関東地区梅雨入りは5月31日、明けたのは7月下旬だった。似ている。

今回は今月12日に川崎「つり幸」、23日八景「太田屋」、24日鶴見「新明丸」に乗船した。八景と鶴見では海洋環境研究家の木村尚(たかし)さんも同乗した。今年大人気で、主要釣具店では欠品と追加発注が相次ぐ「タコエギ」を試してもらい、木村さんは八景で15匹、鶴見で18匹の釣果を残した。

木村さん 仕事で東京湾に潜るのですが、今年はマダコが好んで食べるイシガニや貝がたくさんあって、食べ物に困らないんでしょう。それと雨。降雨で海に酸素が入る。日照りのような暑さも避けられて、マダコにとっては快適な6~7月になって、爆釣につながっていると推測します。

さて、釣り方だが、まず話題のエギ。スミイカやアオリイカなどで使われる海老を模した和製ルアーだ。イカの場合は開いた剣山のようなカンナバリだが、タコは熊手のような形状になっている。

オモリは潮の流れにもよるが10~25号をそろえておくといい。確実に底をとらえて、エギが浮いたり、真っすぐ立つようではマダコに見向きもされない。海底で横になって寝させて、軽くトントンと底をたたく。サオをシャクりあげたときに重さを感じれば、それがマダコと思っていい。

サオは胴のガッチリしたタイプでサオ先だけが曲がる9:1調子のヤリイカで使うようなサオがオススメだ。底を常に感じる釣りなので、ロスト(根掛かりしてエギを失うこと)も多くなりがちだが、オモリをハリスで結ぶ捨て糸釣法ならばオモリ紛失だけで回避できるかもしれない。

渋糸を直接手で持って釣るテンヤ仕掛けだと、すべて船宿から道具をレンタルできる。クーラーボックスと釣ったマダコを入れるネットさえあれば、誰でも楽しめる。こちらはテンヤ仕掛けにイシガニをくくりつけるのだが、釣具店で販売しているプラスチックにカニだったり、中には赤&白色のオモチャの怪獣人形を巻き付けてゲットした例も出ているという。マダコ、やはり多いようだ。

今年は小さいマダコが多いようだ。300グラム以下は海に戻してあげてください。大きくなって年末にまた釣れるかもしれないから。とにかく今年は大チャンス。東京湾のマダコ、甘みがあって柔らかくておいしいから、初めての人も挑戦してみてくださいな。【寺沢卓】

▼船 マダコの乗合船は、川崎「つり幸」、鶴見「新明丸」、八景「太田屋」でエギもテンヤもできますよ。千葉県側では富津「みや川丸」もやってますが、テンヤ釣法だけ対象です。電話番号は「釣り速報情報」を参照して、出船時間や料金などはそれぞれ問い合わせてください。