東京湾 キス、アジ、マダコ小物釣りで思い出作ろう

パールピンクの魚体が美しいシロギス。エサの青イソメの垂らしは2~3センチがベストだ

<ママも一緒に! 家族で釣り>

夏休みも残りわずか-いやいや、まだまだ楽しめますよ。東京湾の人気魚種といえばシロギスとアジ。山下橋「広島屋」は、この2魚種を一年中狙うアジ&キス専門船だ。横浜の観光拠点、山下公園のすぐ横から出船するワクワク感もたまらない。今夏は、アジ船を大人気のマダコとのリレー船に変更。さあ、夏の思い出の1ページに東京湾での小物釣りを推薦しまーす。

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夏の季語にも数えられるシロギス。東京湾で狙う小物釣りでは、入門編の第一候補でもある。ただし、この3年ほど釣果が伸びず、ベテランでもアタリをとるのが難しい状況が続いた。

ところが、今年はちょっと違う。年間を通して、キスとアジにこだわる山下橋「広島屋」の石井晃船長は「かなり復調してきましたね。20センチ超の大きいサイズだけじゃなくて、ピンギス(小さいキス)もいる。小さいサイズも交じるとすぐには終わらない。いいですよ」と言葉に力を込める。

初心者にとってエサの青イソメの気持ち悪さが「越えなければいけない壁」になりそうだが、1度、手のひらに乗せてよく観察してもらいたい。短い足がいっぱいある多足類。キバを持っているがかまれても痛くない。敵をよく知れば、そんなに怖くもない。頭を切断して、断面にハリ先を当ててソックスをはかせるようにハリにかぶせる。ハリの軸(まっすぐの部分)から青イソメを2~3センチ垂らすだけでいい。

欲張ってはいけない。オモリ15号をアンカーにして、胴付き仕掛けの1本バリを使ってみよう。2本バリなどもあるが、底面をオモリで感じながら、道糸の「緩めて、張って」を繰り返す。張った直後に感じる鋭いプルルンが釣れている合図になる。今なら初心者でも20匹前後は釣れますよ。

広島屋からアジ船に乗り込んだのは手塚宏(56)。タコボウズ記者(寺沢です)の高校時代の同級生だ。横浜市出身。過去に何度か釣り取材をしているが、地元・横浜は初めてとなる。現在は都内に在住し、同級生からは「オマエは横浜を捨てた」と冗談交じりではあるが、なじられたこともあった。

手塚 捨てたわけじゃない。でも、なんとなく遠ざかってしまう。山下橋から船に乗るなんて感慨深い。

アジ船は初めて乗る。今や初心者向きの東京湾を代表する小物釣りだが、急な猛暑でアジが底ベッタリになってしまった。イワシミンチのコマセをまけば反応するわけでもない。手塚も最初は何も釣れずに苦戦した。口を「へ」の字にして何かを考えていた。

手塚 これだけ船でコマセをまいているなら、アジはいるはず。エサのアオイソメだけで出してみるか。

この「コマセけちけち作戦」が見事に当たった。しかも、底に張り付くようにしていることから、底からコマセカゴを1・5メートル浮かした。全長2メートルのハリスを底にはわせるイメージ。アジのヒットが連発した。

今夏は、アジ船がマダコとのリレー便になった。サオを使ってエギで誘う。手塚は1匹を釣り上げた。

手塚 タコの底にエギをつけて微動させる。タコも面白い。釣り、いいなぁ。これをきっかけに横浜に通うかな。【寺沢卓】

▼船 山下橋「広島屋」【電話】090・8874・4624。アジ、エサ付き9000円、午前7時集合。氷は250円。タコエギはレンタルできて、1つ紛失すると500円。タコリレー平日限定木曜定休だが、15日だけは通常営業。