福井・小浜湾 風吹いて固め釣りアオリイカ18匹

風が吹いた時合に兵頭さんは22センチのアオリイカをゲット

<ソルトウオーターFISHING>

ティップランエギングでアオリイカを狙おうと先日、福井・若狭本郷の「はやし渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で小浜湾へ出た。

風がない時間帯が長く、うねりもあり苦戦したが、風が吹いた朝と昼前にアタリが連発。竿頭の川上一郎さん(滋賀)はチヌのかかり釣りで鍛えたアタリの見極めで胴長10~21センチを18匹ゲット。記者も川上さんや林健治船長の指導のもと、4匹釣り上げた。海中のエギの状態をイメージし、小アタリを掛け合わせたときの満足感は筏のチヌ釣りそのもの。極めてみたくなる釣りだった。【近江康輔】

「ティップランエギングは筏のかかり釣りと同じ。竿先に出るわずかなアタリ(コツ、モヤモヤ、食い上げなど)を掛け合わせた瞬間がたまらない」。船尾の川上さんが朝イチから入れ掛かり。かかり釣り歴20年、ティップラン歴は10年。「昨年の9月に80匹釣ったこともある」というベテランの技が光った。

記者や他の同乗者は「どうなってるの? 何が違うの?」と誘い方などを見入るばかり。林健治船長も「ボトムの取り方、アタリの見極めが上手ですね」と絶賛。エギはアジやコノシロカラーの2・5号に15~20グラムのシンカーをセットしたもの。これを底まで落とし、4回しゃくっては止めることを2セット行っている。

「底近くでエギが水平にステイしている状態をイメージするのが大事。あとはラインを張り気味にしてアタリを待つだけ」。沖はうねりがあるが、ほどよい南東の風が吹き、広範囲に船が流れ、川上さんが1時間半ほどで胴長10~21センチを10匹キャッチ。ほかの人は0(記者)~5匹。川上さんに腕の差を見せつけられた。

その後は風がやむと、さすがの川上さんも沈黙が続く。シンカーを軽くして誘うが、うねりでエギが安定せず、アオリが反応してくれない。それでも、粘り強く誘うと川上さんや日刊FPCの兵頭良弘さんがポツリポツリと掛け、残り2時間で再び時合が到来した。

湾口の東側を流していると北東の風が吹きだし、大苦戦の記者にもヒット。川上さんの言葉通り、底近くを意識して止めていると竿先にクックッとアタリがきた。まずまずのサイズで重量感たっぷり。18、20センチを連続で釣り上げた。

納竿間際には兵頭さんが最長寸の22センチをキャッチ。「竿先をチッと押さえるだけの小さなアタリだったが、フッキングするとずっしりでしたよ」とにんまり。結局、川上さんは10~21センチを18匹でフィニッシュ。

林船長によると「うねりでエギをステイさせにくく、風もない時間帯が多くて残念です。それでも時合を逃さなかった川上さんはお見事。条件がいい日ならもっと釣ったでしょうね…」と称賛した。これからは数が減るが、20センチ後半が狙える好機。ベテランの技を目にやきつけ、リベンジを誓い、沖をあとにした。はやし渡船のメインは筏のチヌ釣り。今年は魚影が濃く数、型ともに好釣果が続いている。ティップランのアタリの見極めにかかり釣りを始めてみるのもいいかも。アオリよりも奥が深いのできっとはまりますよ

【問い合わせ】はやし渡船【電話】0770・77・0591。アオリの乗合船料金は1万円。仕立船(5人から)1人8000円。午前6時出船、正午に納竿。

【交通】JR小浜線の若狭本郷駅からタクシーで約3分。車は舞鶴若狭自動車道の小浜西ICを出て国道27号を舞鶴方面へ約5分で「はやし渡船」。