和歌山・日置川 泳がせの聖地で海産アユ28匹

長手尻の泳がせ釣りで底の変化を探る筆者

和歌山・日置川は泳がせ釣り発祥の川といわれ、トロ場の攻略で釣果が左右される。オトリが元気に泳げば、野アユが追ってくれるが弱ると反応が悪くなり苦労する。オトリの循環がうまくいったときはまさにパラダイスだ。

9月29日に釣行し、長手尻の泳がせ釣りを中心に底の変化を攻め、14~23センチを28匹追わせた。

午前8時すぎ、水マクリに入った。ここは大渕からのトロ場になり、上下に早瀬がある。水位は減水気味で濁りなし。さっそくメタル仕掛けをセット。人頭大の石がびっしり入った早瀬から探っていく。少し掘れ込んだ場所にオトリを入れ、少しずつ引き上げると目印がグルグルギュイ~ン。水面を割ったのは鮮明な追い星をつけた16センチの海産アユだった。波立ちの大きいところを探り、同型を3匹追加。元気なオトリを確保し、上流のトロ場へ。

ここでラインをフロロに変更。ナチュラルに広範囲を泳がせようと手尻も60センチと長くした。水中を観察すると大きな石はないが、ところどころに起伏があり、流れの真ん中辺りが溝状に掘れている。この川底の変化が好ポイントになる。まずは足元から探っていく。

河原に立ち、手前の筋を泳がせるとオトリが上流へ3メートルほど進んだところでククッビューン。目印が勢いよく走り、きれいな18センチが追ってきた。素早くオトリを交換。泳がせると同型が入れ掛かり。手前の筋を一通り攻めたところで川に立ち込み、対岸を狙う。オトリがスーッと掘れ込みに入った瞬間、ガツーン。グイグイ底に突っ込み、抵抗されるが慎重に引き寄せたのはばっちり背掛かりした23センチ。

深みで追ってくるのは良型ばかり。しばらく入れ掛かりを堪能し、正午までに21匹をキープ。午後からは人気ポイントの高瀬へ入った。こちらは人が多くプレッシャーが高いようで野アユが落ち着いていない感じ。時折、雨が降る曇空で水温が上がらず、アユはたくさん見えているが、追い気はいまいち。14~23センチを合計28匹追わせたところで午後4時すぎに竿を置いた。

天気が良く水温さえ上がれば野アユの活性も一気に上がりそう。今年の日置川はまだまだアユが若く10月いっぱいは十分に友釣りが楽しめる。台風による大雨や急激な冷え込みがなければ11月初旬でも黄色いアユが目印を飛ばしてくれる。

【日刊FPC・下田成人】

【問い合わせ】森のお宿(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0739・54・0345。11月第1週の日曜日までオトリを扱っている。