内房・金谷 秋磯開幕クロダイ、メジナ、沖のアジも

鵜澤さん、沖に飛ばしてグッドサイズのクロダイを引っこ抜いた

<ママも一緒に! 家族で釣り>

内房・金谷は負けない! 秋の台風の爪あとが深く残る千葉。でも、魚は釣れてます。まだ、屋根にはブルーシートもかぶっているけど、金谷の海は磯のクロダイも、沖の黄金アジも釣れている。磯は鵜澤政則さんのリポートが届いた。記者も乗合船でサオを出してきましたよ。

台風15号の影響で「渡船が遅れるのでは?」と心配していたが岡澤裕治親方の“企業努力”で当初の予定通り、10月1日から秋磯が開幕できた。さらに台風もやりすごせた。

金谷の沖磯は、夏は渡船を止めて、釣り場が疲へいしない取り組みをしている。4カ月コマセが入っていない中の再開。釣れるかどうかいつも不安になる。

今回はいつも私が釣果の指標にしている平島に仲間数人で分散して渡礁させてもらった。この日は微風、ときどき雨。平島の南側に入った。金谷の沖磯のイメージはなんといってもクロダイ。近年、秋はメジナが台頭してきたが、そこは金谷だ、メジナに交じって秋のクロの良型が出てくれる。どっちを狙うか迷ってしまう。都合よく同じくらいのタナで両得を狙っちゃいるが、現実は甘かない。

金谷の沖磯、さすがに魚影が濃い。30センチ超のメジナを筆頭に船釣りでも上々気配のカワハギ、そしてカサゴ、面白いのは丸々と太ったイナダも掛かった。ウキ下は4・5~5メートルだった。

メジナを何匹か釣ってアタリが落ち着いたころ,タナをさらに深くして、狙うポイントをやや沖めに変えた。アタリの反応は当然減る。しかし、ワンサイズ大きめのメジナが口を使ってくれる。面白い。

しばらくアタリが少なくなった。すると、いきなりウキが横走り、道糸がギュンと引っ張られた。これぞクロの勢いだ。秋磯レギュラーサイズ、35センチの今季初のクロだ。完全に宙層に浮いていた。

その後のパターンは良型のメジナ→クロ→良型メジナ→クロ…この無限ループ。このポイントを同行者に譲って、北側のポイントで同じタナ、やや遠投すると2投目でこの日最大のクロをキャッチできた。

カブト岩に入った後輩の飛田君は朝のうちに浅いタナで40センチ超のクロを2匹ゲットした。クロ&メジナ、どちらも活性が上がっている。秋のタナは同じ場所でも天候や潮の流れで変わってくる。読みにくい、だから面白い。上から底まで丹念に探ってほしい。

エサが残るようなら深く、取られっぱなしなら浅く、それがセオリーだ。台風19号でまた潮温が下がった。この温度が安定しればクロもメジナもサイズがぐんぐんアップする。過去には私も金谷で48センチまでのメジナは取っている。浅めの房総の磯で根の間を走り回る魚たちとの格闘、かなりスリリングで面白いですよ。ぜび、秋磯の醍醐味を堪能していただきたい。

金谷沖の船で釣るアジも面白い。港前の水深15メートル前後では小アジ、やや北寄りの同約35メートルから引っ張り上げてくるポイントでは、40センチ前後の大型がヒットする。しかも、鵜澤さんの報告でもあったように、青物が回っている。イナダサイズが釣れるのだ。繊細なアジ釣りではあるが、仕掛けのハリスは2号ではイナダに切られてしまうので、3号以上の太さがいいだろう。

小アジを泳がせて、6・3キロのワラサを釣り上げた本澤光弘さん(47=市原市)は、五井で居酒屋「海坊主」を経営しており、魚を見る目は厳しい。「金谷の海の魚は本当に違う。ぜひサオを出して確かめてほしいですね。本当においしい」と笑顔で応えた。

アジ釣り2度目の釣り歴2年目の梅田光男さん(72=荒川区)はアジだけではなく、ころんと太ったイナダも釣り上げ「いや、うれしい。アジのつもりがこんな大きな魚も掛かっちゃう。釣りは楽しいですね」とウハウハ。

深場から40センチのアジを釣り上げた「海のおじさん」こと海洋環境専門家木村尚(たかし)さん(62)は「金谷はプランクトンがいいんでしょうね。それと小魚が多いのかなぁ。今秋のアジ、いいッスね」と解説した。秋深まる金谷沖、家族でアジ釣り、ぜひぜひ。【寺沢卓】

※まだ台風被害の後片付けがあるため、渡船に関しては必ず電話で確認でとってください。

▼宿 金谷「渡船=岡澤釣具店」【電話】0439・69・2232、「乗合&仕立て船=光進丸」【電話】0439・69・2697。まずお電話で釣況を確認して、予約を入れてください。