熱海伊豆山 哀川翔、弔いと感謝を込めアマダイ探索

やっぱりいたな、アマダイ。2本バリのもう1本には小さいけどイトヨリも掛かったぜ

<ママも一緒に!家族で釣り>

「釣りこそわが人生」と断言する「アニキ」こと俳優哀川翔(58)が、熱海伊豆山港「喜久丸」でアマダイ調査船の陣頭指揮をとった。女優として花開いた次女福地桃子(22)と今年1月、同船でアマダイ釣りで親子共演をし、ともに大型をキャッチしていた。アニキにとって縁起のいい熱海のアマダイ-今冬の様子を探ってきた。

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今回、熱海に来たのには理由があった。「喜久丸」には今年の1月4日に来た。2019年初釣りのターゲットをアマダイにした。このところ、底モノ釣りでは冬の主役になっているし、何しろ食べておいしい。

それと、次女の桃子も「釣りをやりたい」と言ってきたので、連れていった。桃子、やりやがった。1・3キロの大物を仕留めた。その日の一番デカいアマダイだった。オレは3匹、桃子は2匹。その船にはオレら親子を含めて8人が乗り込んだ。全員アマダイを釣ることができて、なんと19匹のアマダイが躍った。素晴らしい釣果だった。

そのときに操船していたのが喜久丸の3代目、松本信也船長だった。今年の春、桜が咲く前に永眠された。これが最後の操舵(そうだ)だった。今年4月から桃子がNHK連続テレビ小説「なつぞら」に出演して、まあ女優らしくなった。あのときのアマダイが契機になったのかもしれない。

今回は、信也船長の弔いと感謝を込めて、ちょっとアマダイ釣りには早かったけど、11月12日に様子を探ることにした。熱海沖アマダイ探索船だ!

青物は上々だった。ワラサ交じりでイナダがじゃんじゃん掛かってきた。今秋はイナダ級でも脂乗りが最高だな。同乗した若手ドラマーの中村“マーボー”真行(26)は料理が大好きで自分の出刃包丁を持参してきた。

マーボー 何か釣れたらさばきます。オレ、九州出身なので、九州の甘口しょうゆを持ってきました。

船上で釣ったイナダを刺し身にしてくれた。さっきまで泳いでいたのに深みのある甘みがあって、素晴らしい刺し身だった。今冬の青物、これはオススメだ。

本命のアマダイは、なかなか強敵だった。そんなとき、信也船長の言葉が頭をよぎった。

「コマセをぎゅーぎゅーに詰めるもんじゃないよ。魚の餌付けじゃないんだからさ、指3本にちょこんとオキアミをのっけて、カゴの中に放り込んでおけばいい。ぽろんぽろん、って出てくる程度でいいんだよ。最終的にはハリに魚を掛ける。何が目的なのか、忘れちゃいけないよ」

コマセカゴの扉をくるんと回して、右手の指3本にちょっとだけオキアミを乗せた。こんなんじゃ、すぐなくなってしまうんじゃないか、と多少不安になる。だけど、船長の忠告は絶対だ。カゴを底まで落として、2・2メートルのハリスがちょっと潮で流れることを想像してぴったり2メートル上げた。

しばらく待つ。ロッドキーパーにサオをセットして、じっとサオの先端から目を離さなかった。カゴからオキアミが1匹ずつゆっくりと落ちていく様子が見えるようだった。ピクン、ブルルン、キューン! サオが一気に海面に刺さった。本命のようだ。

やっぱりアマダイだった。この日の探索ではオレの1匹だけ。4代目早人(はやひと)船長が「潮温がもうちょい下がれば、アマダイが口を使ってくれる。45センチ超のデカいアジやイトヨリが素早くオキアミを察知して横取りするんでしょう」と解説してくれた。

ただ、いないわけじゃない。11月下旬には6匹、7匹という釣果も出てきた。寒気が差し込んで冬の熱海がアツくなってきた。アマダイがばんばん釣れそうだ。また来るぜ、熱海。待ってろ、アマダイ!

▼船 熱海伊豆山「喜久丸」【電話】090・5456・8449。現在はアマダイ、マダイ五目、カワハギ。希望でベニアコウ。午前&午後便あり。詳細は気軽に電話してください。