年明けからいきなり!茨城海域と東京湾のタチウオ

茨城の海で突然のタチウオ。太い。上がったばかりの体色はややゴールド

<パパかっこいい! 大人の釣り>

正月から突然、茨城の海がタチウオで大フィーバーしている。しかも、すんごい濃い群れだ。年が明けた今月2日から鹿島「第三幸栄丸」が青物ジギングでタチウオをキャッチ。翌3日、ヒラメとのリレー船で大洗「きよ丸」も“刀狩り”を始めた。すでに指7本のドラゴンが顔をみせている。ギンギラギンの茨城海域と東京湾のタチウオ事情をリポートする。

8日、鹿島「第三幸栄丸」のエサ船に乗船した。体高で指3本以下は魚体に触れずに海に返すマイルールで臨んだ。港から出船して北に約1時間。水深は30メートル前後。浅い。オモリ60号で、ハリス8号。大型が期待できるのでハリは大物狙い「3/0」を結んだ。

準備万全と思われたが、ここで出船前の船宿からのアドバイスを思い出した。

「東京湾のタチウオと違って、スレていない。ゆっくりした誘いだとハリごとのみ込まれてプチン。ハリの結び目をパイプで補強した方が安全だね」

確かに東京湾はジリジリするような超スローな誘いでようやく乗る。茨城は軟らかいサオでしっかりとアクションをつけて海中で目立たせてタチウオのやる気を増幅させる戦術がぴったりくるという。なるほど、だからジギングの数釣りが伸びるのかもしれない。

最初は様子見なので、パイプなしでチャレンジ。瞬殺された。底からシャクってすぐに衝撃が手元に伝わり、リールを巻き上げるとハリごと消えていた。ハリスはスパンと切れていた。

そこで、駿河湾のタチウオ用に購入して使わないでいたゴーセン「ナイロンコーデッドワイヤー」(ワイヤのような強度を持つナイロン糸)♯44を30センチほどハリスとハリに結んだ。

リズミカルな動きで誘うと、ガツン。ハリのちょっと上をかまれたが、それでも切れずに110センチ(指4本)を取り込めた。このタチウオ、不思議なことに頭部がやや金色、ゴールドサーベルだった。その後も順調に“金頭”の美しいタチウオが釣れ続けた。指3本幅もいたので全体で40匹前後釣って、18匹をリリース、約20匹をキープした。

今もまだ茨城のタチウオの勢いは止まらない。スローなアクションではなく、ちょい速めの誘いを試したいなら、茨城の海に行ってみようか。【寺沢卓】

▼鹿島「第三幸栄丸」【電話】029・266・2779。タチウオ乗合船は午前4時集合、ルアーが1万2000円、エサはサバエサ付きで1万2100円、ともに氷と下船後のカレーライス(お代わり自由)付き。

東京湾のタチウオは相変わらず大きい。F3級(指3本の体高のタチウオ)以上が多いのだが、身の厚さもでっぷりとしていて、全長や体高以上に大きさを感じてしまう。釣れる場所も東京湾のどこで釣れるのかその日によって違うため、乗船前から高揚感が止まらない。

パシフィコ横浜で開催された「釣りフェスティバル」の翌20日、新安浦「長谷川丸」から出漁した。横浜も越えて川崎沖の海上。深さ30~40メートルの底から10メートルまでのどこかでヒットする。誘いは超スローで、リズミカルにサオをシャクる茨城沖とは釣り方が違う。

エサ釣りでは速く動かし過ぎてしまうと、もわん、と探りを入れるような“前アタリ”がとれない。スレているタチウオが多いのか、超スロー+ポーズ(動作を止めること)が有効のようだ。

この日はポカポカ陽気で人間には過ごしやすかったが、どうにもタチウオの機嫌は良くなかった。しかし、反応は出ているので、どこで口を使ってくるか分からない。東京湾の冬タチ、超スローで誘う方法が多い釣り人が釣果を伸ばしそうだ。タチウオとの知恵比べ、楽しいですよ。

▼新安浦「長谷川丸」【電話】090・6021・5919。午前&午後船でさまざまな魚種でお待ちしています。タチウオ乗合は午前便です。料金はエサ&氷付きで6000円。割引料金もあるので、まずはお電話ください。