沼津・久料 マダイ「今年の春はいいんでねぇか」

午後2時、深場のタナ80メートルで1・2キロが釣れた

<ママも一緒に! 家族で釣り>

さあ、ちょっと早いけど駿河湾マダイダービーの様子を探ってきた。沼津・久料「魚磯丸」では、マダイの動きがよくなってきた。完全に「食い良し」とは言い切れないが、この時期から慣れておくと、今春のマダイ釣りを面白く過ごせそうだ。さらに魚磯丸では水深300~500メートルを狙う深海釣りもできちゃう。6日午後マダイ便と、翌7日午前深海探索船に乗ってきた。

まず本題の前にお知らせです。今年も「駿河湾マダイダービー」をやります。3月14日(土)~5月24日(日)です。魚磯丸だけではなく、御前崎「博栄丸」、戸田「たか丸」、安良里「ふじなみ丸」の計4地区で受け付けます。例年通り、3匹重量で競います。期間内ならば、1匹からの入れ替え可能です。近々、ポスターも完成しますので、注意していてください。

この時期からマダイの動向を探っておきましょう。タコボウズ記者(寺沢です)、6日にさっそく久料「魚磯丸」に行ってきました。5日午前便で3・7キロが釣れていて、しかも、この船で3キロ台が他に1匹、2キロ級2匹も釣れていて「こりゃ、もしかしてマダイが動き始めたか」と、やや勇み足気味で乗り込んだ次第です。

操船3年目の松崎英信船長(52)が担当した。「ハーイ、タナは80メートルだねぇ」「おっ、反応出てきたよ。80~85メートルを狙ってみようか」「浅場でも実績あるから移動しますよ。ミヨシ(船首)寄りの釣り座は北風だからぬれちゃうねー、気をつけてね」と友だちに語りかけるようにスピーカー越しに話し掛けてくれる。声も怒鳴らず優しくソフトタッチ。これなら初心者でも怖がらずに乗れそうだ。

この日の結果からいうと、タナは80メートルの海域と浅場の20メートル前後の魚影が濃いようだ。タコボウズは手のひらサイズのチビダイしか釣れなかったけど、船中では1・2~2キロが3匹、そしてブリ手前の大きなワラサもヒットしました。ダービー参加は別として、本格的な春ダイ突入の前の今、マダイに手を染める絶好のチャンスかもしれない。

★魚磯丸・久保田清社長(75)の話 まだ、ちぃーと食いが良くねぇなぁ。でも、魚探(魚群探知機)の反応は真っ赤か。いいだよ。こういうのは、何かのきっかけで食う。それでも3キロもぽっつらぽっつら上がっているから、今年の春はいいんでねぇかなぁ。

そして夜が明けて7日。マダイの余韻を振り切って、深海に挑戦した。本来は午前便ではなく「通し便」。正午を越えて午後も釣りをするため、このような名前になる。今回は、調査も含んだ探索船として、やや浅い水深300メートルから始めて、同500メートルを狙う午前便のプランにしてみた。

オモリは400号。胴突き仕掛けの7本バリ。舵(かじ)を握るのは久保田社長で「準備ができたら(仕掛けを)落としていいだよ。深さは320メートル。着底したら、ちょっとだけ上げてね」とアナウンスした。

底にオモリが着いて、1メートルほど浮かせて、何も反応なく、電動リールのスイッチを押して巻き上げる。ふと、顔を見上げて前を見ると大きな富士山だ。この久料は駿河湾の東側になる。港前には西浦湾が広がり、日本一の山が勇ましくそびえ立つ。仕掛けの上げ下げで時間はかかるが、冠雪した富士山を眺めるだけで心が洗われる。仕事ではあるが来て良かった。

水深500メートルも狙ったが狙いの“赤い魚”は釣れなかった。アコウ、キンメダイなどいずれもおいしいヤツだ。代わりにヒットしたのは、キランと輝く刀のような魚。ん、タチウオ? と思ったが、目ばかり大きく、しかも頭が大きくて、下半身はスレンダー…というかやせている。何か、おかしい。しかも、Y字の形状の尾ビレ発見。

違う、これはタチウオではない。調べてみると、どうやら深海魚のタチモドキだ。暗がりに置くと頭部が青白く発光している。引きは鋭く軽かったが、こんなヘンチクリンな深海魚との遭遇もある。通常ではアコウ狙いで、ときどき乗合船を組むので魚磯丸に電話で確認してもらいたい。

タコボウズ、本命は空振りだった。でも、今月28日、この魚磯丸で、大魔神・佐々木主浩さんとニッポン放送ナイター中継の松本秀夫アナウンサーのマダイの1匹重量対決も控えている。この半月でどう海が変わるのか。次回もしっかりお伝えしますよ。【寺沢卓】

◆久料「魚磯丸」 【電話】055・942・3230。マダイの乗合船は、午前便は集合=同5時半、納竿(のうかん)=同11時。午後便は集合=正午、納竿同5時半でコマセ&付けエサ、氷付きで1万円、女性&中学生は9000円。また水深450~600メートルを狙う深海のアコウ乗合船は、納竿午後2時で氷付きで1万3000円。ハリは10~15本。詳細は要電話確認。