内房・保田「磯の3大スター」を船から釣ろう

シマシマのイシダイ。刺し身だけではなく、塩焼きにしたら絶品だ

<ママも一緒に! 家族で釣り>

磯釣りの3大スター、イシダイ、クロダイ、メジナを船から釣っちゃおう! 千葉・内房の保田「村井丸」では、ちょうど今の時期にイシダイをメインにしながら、この3魚種を釣ることができる。さらにマダイも釣れることもあり、強いアタリを感じたい釣り人にはもってこいだ。ライトタックルなので、初心者でも簡単にトライできそう。14日、乗ってきた。

第五村井丸の志村秀行船長がマイクを通してこういった。

「あと2~3分で釣るポイントに到着しますねぇ~」

離岸しているが、船はまだ港の中を進んでいる。空を見上げると、半分欠けた月が黄色く輝いていた。太陽はまだ顔をのぞかせていない。しばらくすると静かなトーンで志村船長が続けた。

「はい、着きました」

手を伸ばせば届くぐらいの近い場所にさっき出たばかりの保田港が見える。本当に3分以内だった。

釣りをしたのはバレンタインデーの14日、前日の大荒れの海から一転してベタナギ。たとえうねりがあったとしても、船酔いするスキもないぐらい近くのポイントだった。

水深は28メートル。使う仕掛けは40号のコマセカゴに片天ビン+クッションゴム、それと村井丸特製のウイリー2本バリ仕掛け。全長2・5メートル、ハリスは2号と細い。上バリはカラー糸を巻いた飾りがついて、下バリにはオキアミを装着する。すべてが軽くできているので、子どもや女性でも簡単に操作できる。釣りを始めようとしている人にはもってこいの釣りといえる。それと、水深が浅いから手巻きリールでも不安は少ない。

底までトン、と落とす。志村船長の指示は「(コマセカゴが)着底したら、シャクりながら5メートルぐらい巻いてみてくださいね」。

「シャクる」とはサオ先をはね上げながら、リールを小刻みに巻いて、ちょっとだけ動きを止める…という一連のアクションのことだ。

サオをはね上げてリールを巻けば、仕掛けは海中でダンスを踊る。その直後にサオを静止させると、カラー糸とオキアミの付いたハリがゆっくりと落ちていく。上から落下してくるハリを魚が待ち構えている。そして、何かが食ってきて、サオを持つ手は大きな衝撃に襲われる。これが「アタリ」だ。

釣り人は魚を釣ることも目的ではあるが、このアタリほしさにサオを握っていると断言してもいいだろう。そのアタリが強ければ強いほど、サオを握る強さも大きくなっていく。

村井丸では、この寒い時期にその大きなアタリを実感できる。磯釣りの3大スターともいえる、イシダイ、クロダイ、メジナだ。しかも、沖で釣れるこの3種はとてもおいしいのだ。志村船長はもともと料理人で、魚を見る目は肥えている。

志村船長 イシダイは皮がけっこう厚いけど、塩焼きで食べるととってもおいしいですね。それとクロダイは大きく切って、鍋の具材にしてもいいし、唐揚げ粉を軽くまぶして揚げていい。メジナは刺し身を食べてほしい。この刺し身はなんだ? みたいなクイズをやって当てることができる人は、相当な魚食通ですね。

今の時期、本来ならイシダイは終わっていてもおかしくない。なかなか潮が冷えなくて、1月ごろからようやく釣れてきた。ちょっとずつであるが漁期がズレてきているのだ。

今はイシダイが主役だが、少しずつクロダイがその座におさまってくる。3大スターのそろい踏みは今がまさに大チャンスなのだ。

志村船長 この3種に春ダイが食い込んでくる。2キロぐらいの食べごろサイズが釣れますよ。

この日はイシダイ12匹がトップで、クロダイ、メジナ、マダイなどが交じってきた。サオをシャクりながら、突然のガツン! 魚のアタリと、うめぇ魚を味わいたいなら、内房・保田にいらっしゃーい。【寺沢卓】◆保田「村井丸」【電話】0470・55・1121。イシダイ五目の乗合船は午前5時集合、コマセ&氷付きで9000円。村井丸特製仕掛けは2組セット400円。正午納竿。詳細は電話にて確認ください。