関東メジナダービー 石廊崎で40センチ以上8匹

全層釣りで粘って大物メジナを連発した大澤さん

<釣りをしようよ!!>

日刊スポーツ・フィッシングサーキット「関東メジナダービー」予選が3月末で終了した。千葉・南房の太海「新海荘」と館山「マリンスポット釣吉」、静岡・南伊豆の石廊崎「橋本屋」に、腕に覚えのある釣り師たちが何度も通い、磯に上がった。4月12日に「橋本屋」で行う予定だった決勝は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策のため、延期。予選通過者の中には、大澤雄一さん(47=東京都小金井市)のように10匹中、8匹が40センチ以上というスゴ腕も。いったいどんな釣り方をしたのか、紹介しよう。

<石廊崎・橋本屋>

大澤さん、とにかく大型が食うまで粘った。打ったコマセが海面から沈んでいくのに合わせ、仕掛けを落としてエサを沈めていく。「上から下まですべてのタナ(魚の遊泳層)を探って、どこで食うのかを見つける全層釣りで仕留めました」と振り返った。

2月6日にエホンで42・3&39&33・5センチを釣り上げた。3匹の合計全長という、関東メジナダービーの審査条件は満たした。あとは、大型が釣れれば入れ替えるだけだ。翌日からは40センチ超級ばかり上がった。7日は大根で40・4&40センチ、20日同所で42&40・1センチ、28日は飛根で41センチ、3月7日に大根で41・1センチ、翌8日同所で44センチ。大型3匹の合計128・3センチと、予選参加者で断トツだった。

釣行を重ねるうち、ある傾向に気付いた。「正午前後まではエサ取り(本命のメジナをじゃまするほかの魚)が多かったが、後半に食いが立ったんです。獲物の大半は、昼すぎに釣れましたから」。

朝6時半から7時ごろにポイントに到着してサオを出し始めた大澤さん、メジナが口を使い始めるまで辛抱する。チャンスを逃さないよう、全層釣りを繰り返した。

18年末には全国の腕自慢36人が集う、「第37回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権」(大分県佐伯市)に伊豆地区代表として初参加し、4位に入った。関東メジナダービーの前身である「16~17年伊豆半島磯メジナダービー」の優勝者でもある。その実力は、いつの日か予定されている決勝でも披露してもらおう。

橋本屋で2位に入った北澤治彦さん(54=東京都中野区)は2月下旬以降に、40センチ以上を3匹まとめた。同月24日に灯台下で40・8センチ、29日同所で41センチ、3月14日に大根で40センチ。いずれもサラシ(岩にぶつかって砕けた波が泡状になる場所。酸素が豊富で魚がいる)を狙った。「コマセを手でつかんで投げる。サラシの中で散りながら沈むのを見て、エサを同調させた」。その狙いがズバリ的中した。

<太海・新海荘>

「足元の深場狙い」。石橋稔宏さん(58=千葉県横芝光町)は2月21日、太海「新海荘」の鉄則とも言うべき釣り方を実践した。仲間2人と朝6時に上がった小島は、南東風にウネリが加わった。潮温も下がり、エサ取りもない悪条件。3ヒロ(水深約5メートル)までエサを落とし込んだが、11時までアタリもなかった。4ヒロ(約6・5~7メートル)まで深くした。「底の方で潮が動き始めたのか、まったく流れなかった仕掛けが右から左へと流れるようになった。タイミング良くタナに入った」。45・5センチ、39センチと連釣後、移動した蛸表で36センチを追加した。

対照的に、「浅場狙い専門」で3月3日に46・5センチの大メジナを上げたのは岩竹光(みつる)さん(68=千葉県栄町)。同じ小島の足元でも水深1~3メートル程度だった。「海中に見えそうな沈み根の袋小路のような場所に、コマセを入れて誘いました」。しかも干潮で、最も潮が引いた「ソコリ」の状態にこだわった。「ソコリが大物の食う一番のチャンス」と言い切る。同日43・5センチと38センチも掛けた。メジナ歴は10年だが、イシダイ歴は45年。「砂地の中の根に生える藻場にイシはいます。メジナもその応用です」。経験を生かした。

<館山・マリンスポット釣吉>

館山でも一発大物狙いで知られる洲崎の磯で、福田昇さん(64=千葉県浦安市)は1月31日に38・1センチをゲットした。当日は北風が強かった。灯台下の南側、追い風の場所で東京湾口に向け、サオを振った。足元から沖へと払い出すサラシに仕掛けを乗せる。「左から右(伊豆大島側から湾内)へと流れる横潮と、サラシのぶつかる場所で止めた」と言う。

打ち始めたコマセもちょうど効いていたせいか、数投でいきなり食った。「房総半島の中でも必ず釣れる一級ポイント。流しても深場を狙ってもいい。登竜門とも言うべき磯じゃないでしょうか」と話していた。

▼共栄会指定・磯釣宿

◆太海「新海荘」【電話】04・7092・1535。渡船5時目安。4500円~。

◆館山「マリンスポット釣吉」【電話】0470・33・2880。24時間営業。

◆金谷「岡澤釣具店」【電話】0439・69・2232。渡船6時目安。4500円。

◆野島「村本海事」【電話】045・781・8736。朝便7時、昼便11時45分出船。沖上がり午後4時。半日3000円、1日4000円。

◆石廊崎「橋本屋」【電話】0558・65・0108。4時半集合。5000円。