福井・美浜町 マイカ即掛け49匹船全体で338匹

釣ったマイカを笑顔で披露する竿頭の鈴木さん

<乗合船FISHING>

日本海の夏夜の風物詩・マイカ釣りを楽しもうと先日、福井・美浜町の「美浜釣舟センター」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で同沖へ半夜釣りに出た。悪天候でマイカのタナが安定せす、入れ掛かりとはいかなかったが、胴突きの浮きスッテ仕掛けで広範囲を探ったベテランたちが釣果を伸ばし、竿頭で胴長15~39センチを49匹ゲット。全体では同型が338匹上がった。マイカはこれからが最盛期。群れは大きいのでしばらくの間、小、中型の数釣りが期待できる。

曇り、どしゃ降りの雨、小雨と気圧が刻々と変化し、マイカのタナが安定しない中、ベテランたちが技をみせた。「こんなときは船長の指示ダナよりも少し下(水深40メートル付近)から、ゆっくり引き上げて広範囲を探ったほうがいい」。船尾のベテラン・鈴木克さん(豊橋市)が6対4調子の軟らかい長竿(3・9メートル)でコンスタントにマイカを釣っていく。

「引き上げてくる途中でマイカが浮スッテを触るとわずかに竿先のテンションが抜けるんです。その小さなアタリをとれるかどうかで釣果に差がでるんですよ」。鈴木さんが竿先に神経を集中し25、30センチをダブルでゲットした。ポイントの水深は約85メートル。集魚ライトがともされ、2時間ほどすると、水深20メートルまでマイカが浮いてきて、あちらこちらで竿が曲がる。

午後9時ごろには横なぐりの雨に見舞われ、波も高くなるが、船の揺れでほどよい誘いがかかるのかマイカはノリノリ。浅ダナのイカメタルも絶好調で皿谷康夫さん(尾鷲市)が「きょうはシェイク&ステイが大当たりですわ」と激しい雨もそっちのけで誘いを繰り返す。だが、小雨になるとマイカのタナがころころ変わってペースダウン。

そんななか、目をひいたのはへ先でイカメタルをする鷲尾正夫さん(同)。リールのスプールをサミングして仕掛けをゆっくり落とす方法で立て続けに25センチ級を抜き上げてにんまり。「ラインが止まったり、竿先がふっと上がるアタリが出たらすかさず合わせると乗ってきますよ」と笑う。

そしてラスト1時間は減灯タイム。集魚ライトの光量が減ると、マイカが一気に上層へ上がってくるチャンスタイムだ。全員がラストスパートとばかりに誘いと止めを繰り返す中、左舷後方の浅野一正さん(豊橋市)が待ってましたとばかりに猛追。5本針全部に1・8号のエギ(ピンク、オレンジ、ブルー)を付けるとマイカが好反応を示し、午前0時までに48匹でフィニッシュ。竿頭は鈴木さんで胴長15~39センチを49匹釣り上げた。これから天候が安定するとマイカのタナも安定し3桁釣果が狙えそうだ。【近江康輔】

【今後の見通し】海が穏やかな日が続く8月末までがベストシーズンだ。これから新たな群れが西から入り、浅いタナで数釣りが楽しめる。シンプルな仕掛けで、ビギナーにも扱いやすいイカメタルで狙うと面白い。その後はイカのタナが深くなっていくが、サイズが徐々に大きくなり、晩秋~初冬にかけてメタボな大型が期待できる。また、早くも小型のタルイカが回遊しているので、こちらにも注目したい。

【問い合わせ】美浜釣舟センター【電話】0770・32・1308。マイカ釣りの乗合船料金は1万2500円(氷付き)。午後5時半に同センターに集合、同6時に出船(季節により変動)。

【交通】舞鶴若狭自動車道の若狭三方ICを出て、国道27号に入り、敦賀方面へ。金山の信号を左折し、県道215号へ。突き当たりを左折。県道214号を道なりに走ると左側に美浜釣舟センターの受付事務所がある。