京都・久美浜 イカダ釣り大会47センチのチヌでV

近藤さんが仕留めた47センチのチヌ

<2020黒鯛工房杯in久美浜イカダ釣り大会>

かかり釣りの面白さを多くの人と分かち合う「2020黒鯛工房杯in久美浜イカダ釣り大会」(主催・K-ZERO)が8月23日、京都の久美浜湾で行われ、万全のコロナ対策のもと、33人が参加し、チヌの1匹長寸と匹数を競った。長寸の部優勝は近藤雅一さん(阪神支部)で47センチを仕留めた。2、3位は兄弟のチームワークを発揮した弟の中野建晃さん(一般)が46・6センチ、兄の秀晃さん(阪神支部)が45センチを釣り上げ、それぞれ受賞。匹数の部は森田隆司さん(一般)が20~29・5センチを41匹で制した。兼松伸行会長によるセミナーでも全員がチヌを手にする頑張りをみせ、大いに盛り上がった。

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「竿先がグーともたれるアタリをとらえた瞬間、カキ棚へ一気に走られるスリル満点のファイトでした」。近藤さんが47センチの大チヌを仕留め、会心の笑顔をみせた。乗ったのは宮崎のカセで、釣り方は兼松伸行会長直伝のゼロダンゴ釣法。当たり餌はコーンとオキアミだった。「会長から、夏のこの時期にはコーン、オキアミが効くぞと聞いていたので、試すと見事にはまりました。会長のおかげです。それに尽きます」と真っ黒に日焼けした顔で喜びを爆発させた。

近藤さんはかかり釣りを始めて5年目。兼松会長に公私ともに指導を受けながら、三重方面を中心に月2回ほどのペースで釣行を重ね、ゼロダンゴ釣法を磨いてきた。かかり釣りはダンゴの配合、打つポイント、タイミング、刺し餌のローテーションなど、いろいろ作戦を考えて釣りを組み立てるところが面白い。「ヒットパターンを探し続け、それがはまったときにはたまりませんよ」とアツく語る。

目標はずばり、兼松会長。「チヌを釣る技術、トーナメントでの実績、多くの人をひきつける人間力。見習うことばかりです。会長に1歩でも近づけるように頑張っていきたい」。近藤さんのかかり釣りに対する情熱は果てしない。

そして今回、強い援軍・妻の真美さん、伸頼君(3)、茅美ちゃん(2)とともに、ファミリーで参加したことも大きかった。家族とともに竿を出すことで普段よりも心強さが増し、実力を余すことなく発揮できたに違いない。表彰式では、雅一さんに寄り添う伸頼君が「パパやったね、かっこいいね」と大はしゃぎ。そんなほほえましい姿に兼松会長も目尻を下げ、温かいまなざしで祝福。これこそがKゼロの最大の魅力だ。家族やカップルなどのビギナーからトーナメンターまで、広く門戸を開き、かかり釣りを通じて人生を豊かなものにしていく。【近江康輔】

◆K-ZERO かかり釣りの名手・兼松伸行氏(日刊FPC=写真)が会長を務める釣りクラブ。ビギナーからトーナメンターまでが集い、かかり釣りの技術発展、振興を目的に活動している。関東~九州まで10支部あり、各支部の懇親大会のほか、年3回の黒鯛工房杯が行われ、毎年10月に総括大会「K-ZEROフェスティバル」を開催している。

◆コロナ対策 マスク着用、参加人数制限、検温、アルコール消毒、開会式、閉会式の簡素化など、ソーシャルディスタンスを保った運営が行われた。審査においても、各カセで参加者がセルフジャッジを行い、長寸、匹数を確認。メールで本部へ送信し、審査時はチヌの現認だけを行い、密にならない状態を徹底して確保した。