鳥羽・石鏡沖 85cmサワラ美形マダイにハマチも

小西さんが仕留めた85センチのサワラ

<乗合船FISHING>

マダイや青物が活発な食いをみせている三重・鳥羽の石鏡沖へ19日、石鏡漁港から出る乗合船「幸徳丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。ウタセエビを餌に胴突き仕掛けで狙うと、午後1時ごろから食いが立ち、好スタートを切ったが、午後3時前からの2枚潮に四苦八苦。それでも、オモリを調整しながら底付近を探ったベテランたちが匹数を伸ばし、竿頭で85センチのサワラに27~40センチのマダイを6匹、35~45センチのハマチも4匹釣り上げた。水温が下がってくるこれからはマダイのサイズが良くなり脂も乗ってくる絶好機。数、型ともに期待できる。

正午すぎ、秋マダイが好調に釣れ続く、石鏡沖の水深28メートルのポイントに入った。鳥羽では、船長が潮上から餌(生きたウタセエビ)を底まきし、そのまき餌に刺し餌を同調させてマダイの食いを誘う。

船長の合図で胴突き3本針仕掛けを一斉に投入。状況は緩やかな風が吹き、底潮がやや速く流れる。1時間ほどすると、まき餌が効きだし、右舷の小西徹也さん(東近江市)の竿がグーンと絞り込まれる。数分のやりとりの末に姿をみせたのは85センチの良型サワラだった。ウタセエビの釣りでは珍しい思わぬ獲物に周りから歓声があがった。

続いて船首の岡野幸生さん(愛知蟹江町)の竿がグッグッグッと海中へ。こちらは本命のようで三段引きの鋭い締め込みをみせる。やがて浮き上がってきたのは50センチ超の良型マダイ。オレンジ色のきれいな魚体に岡野さんが「いきなり、いいのが釣れたね」と大喜び。

その後も、軽めのオモリ(20~30号)で仕掛けを流し込むと次々に竿が曲がり、30センチ級のマダイやハマチ、カサゴに、チヌなどが釣れ、船上がにぎわいをみせる。この分だと、好釣果間違いなしと思っていたら、午後3時前から、底潮の流れが急に速くなり、風向きと逆の2枚潮になると一気にペースダウン。

そんな悪条件でも、的確な状況判断で数を伸ばしたのは常連のベテランたち。船首の岡野達也さん(松阪市)は潮の流れに合わせてオモリを徐々に重くしていき、30センチ級マダイを6匹ゲット。「2枚潮のときはマダイの活性も悪いだろうと思ったので、中層ではなく底付近を流したのがよかったみたいです」と笑顔を見せる。

また、小西さんも狙いが的中。複雑な潮で仕掛けがもつれるのを避けるためにオモリを最大の80号に交換。周りが軽いオモリの流し釣りで苦戦する中、底をはわすように探り、ポツリポツリと27~40センチを6匹追加。「船の底に集まっていたマダイを独り占めできたのかな」とにんまり。

結局、潮の流れは最後まで緩むことはなく、小西さんが竿頭で午後6時すぎに納竿した。魚釣りは潮次第。潮の流れが複雑で、餌を同調させることが難しかったが、的確なオモリ使いでマダイの食いを引き出していくベテランたちの技が光った。【中村和嗣】

◆寺本周介船長の必釣アドバイス ウタセエビのマダイ釣りは餌付けが一番大事。頭から真っすぐに刺さないと、仕掛けが絡まってしまい釣りになりません。あとはまき餌に刺し餌を合わせること。潮の速さに合わせてオモリ(20~80号)を使い分けます。状況の把握など、わからないことがあれば、私にどんどん聞いてください。ていねいに説明させてもらいます。

【問い合わせ】幸徳丸【電話】090・7303・5080。マダイ釣りの乗合船料金は※午後便1万2000円(餌、氷付き)、9月中は午後便のみで午前11時半に集合。10月から1日便も出船する。仕立船もある。ほかにも、「三幸丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)【電話】0599・32・5604が出船中。

【交通】近鉄・鳥羽駅下車、バス、タクシーを利用。車は大阪から名阪国道、伊勢自動車道、伊勢二見鳥羽ラインを経由。鳥羽IC交差点から国道42号へ。鳥羽駅をすぎて、同167号へ。安楽島大橋を渡り、県道750号から同128号(パールロードシーサイドライン)へ。約20分走り、石鏡漁港へ。

【今後の見通し】マダイはこれからが本番。潮の動きがいい日には2桁釣果が続いており期待できる。晩秋から年末にかけてサイズも大きくなるので楽しみだ。ハマチ、メジロ、シオ(カンパチの幼魚)も交じるので面白い。