東京湾タチウオ 大魔神が2・5キロ龍神仕留めた

2・5キロ(133センチ)の龍神を仕留めた

<釣りをしようよ!!>

東京湾には“怪物”や“神様”が潜んでいるという-大魔神・佐々木主浩氏(52=本紙野球評論家)のテンヤタチウオ釣行、川崎「つり幸」編です。大魔神が持つと、ほとんどの魚が小さく見えてしまう。今回はデッカイよぉ~、133センチ、重さ約2・5キロのタチウオでーす。なぜ、テンヤで釣るとモンスター、龍神級がかかるのでしょうか!?

今年、もっとも認知度が高くなった釣りは、おそらくテンヤタチウオだろう。

もともと関西地区では陸からの釣りで30年以上の歴史と実績を持っていた。東京湾の船釣りではこの数年、タチウオは天ビン仕掛けのエサ釣り、そしてジギングを使ったルアー・フィッシングの2種がタチウオ船を支えてきた。

そこに第3勢力となるテンヤが2年前から割って入ってきて、今夏、大人気となっているのだ。

どんな釣りなのか?

オモリとハリが一体化したテンヤという道具(見た目はでっかいジグヘッド)に冷凍イワシを刺して針金でグルグル巻きにしたものを使う。イワシは大きさによって、頭を落としたり、1匹丸ごとを使うこともある。泳ぐのに手間取っているスキだらけのイワシを演出できればいい。

中には「エサとルアーのハイブリッド」との表現をする釣り人もいるが、誘い方などを突き詰めると、エサ釣りのカテゴリーに入りそうだ。

★誘い しっかりとイワシをタチウオに認識させるために超スローで動かす。「引っ掛ける」のではなく「食わせる」ことを心掛ける。基本の誘いは3つのパターンが有効とみられる。

(1)ストップ&スロー タナ(魚のいる層)を「海面から50メートル」と指定されたら5メートルほど深く落とす。つまり55メートルまで落としたら、止める。サオ先は下。ハンドルを回さずにサオ先をゆっくりあげる。1メートルほど上げたら、テンヤはその層で止めておいて道糸だけハンドルを回して巻き上げる。その繰り返しを45メートルまで。

(2)小刻み落とし込み タナが45メートルまで上がっているので10メートル下げて55メートルまで落とす。その際にリールのクラッチを解放して、親指で道糸を巻いているスプールをおさえる。親指を離して20センチほど下げたら止める。そのままちょっとずつ落としていく。

(3)超超超スロー巻き また、55メートルまで下がったら今度はカメが歩くより遅いぐらいの速度でアクションをつけずに45メートルまで巻き上げる。

この(1)~(3)を組み合わせて常にテンヤに刺したイワシをタチウオに凝視させる演出をしていく。そのうちカツンという反応が出てくるが、ガッチリ食い込むまでは合わせない忍耐力が必要だろう。

大魔神は、このテンヤのタチウオ釣りが大のお気に入りになった。

大魔神 エサ釣りもやったけど、テンヤはいいね。大型との駆け引きが楽しい。奧さん(榎本加奈子)にもさせたいし、きっと気に入ると思う。

大物にこだわる大魔神らしい感想で、日ごろ「釣りに行きたーい」とせがむ奧さんへの配慮も忘れていない。

取材は9月15日で、まだうだる暑さが続いていた。詳細は動画を配信しているので、じっくりご覧いただきたい。テンヤにイワシをどうやって装着するのかも解説しているので、参考にしてもらいたい。

タコボウズ記者(寺沢です)は釣果ゼロだった初体験のあとの2回目の釣行。初回と違うのはサオ。軟らかいサオでは前アタリのもぞもぞ感が察知できなかった。8・2調子の硬いサオで仕切り直して、もぞもぞ感を細かく読み取れた。テンヤであればサオは9・1調子でもいいぐらいだ。

大魔神は途中やや苦戦をしたが、最後の最後で133センチ、重さ約2・5キロの龍神級を釣り上げた。

大魔神 抜き上げようとしたけど無理だった。取り込む時は慌てずにサオを置いてハリスをつかむのがいいですよ。しかし、いいサイズだ。テンヤ、本当に面白いね。

この日、大魔神は6匹、タコボウズは8匹。すべてが100センチ超の大物ばかり。コツコツと当たってくるのもあるが、どうやら小さいサイズのようで、気付いたらイワシだけ食い逃げされる。大型はハリごと食ってくるので、このテンヤ仕掛けは大きいサイズしか釣れない道具なのかもしれない。

大魔神 これさ、プライベートで何度かいっちゃうね。さて、適当な大きさのイワシを探してこないと。

面白い。ただし、このまま大型ばかり釣っていていいのか? テンヤの期間禁漁なども考えた方がいいかもなぁ。

【寺沢卓】

▼大タチウオ東京湾ダービー 大みそかまで開催していて千葉寒川「小峯丸」、川崎「つり幸」、八景「太田屋」、新安浦「長谷川丸」、久里浜「大正丸」で実施中。エサとルアーの2部門で、期間内に釣った3匹の合計重量で競う。テンヤは小峯丸だけで実施中。参加費1000円(参加賞あります)を初回に支払えば、大会指定の5つの船全部に乗ることができる。

▼川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。タチウオのテンヤ船は午前6時50分出船(納竿午後2時)で9500円。テンヤは50号限定。エサのイワシは1パック500円。エサ釣り船もあります。