春はバス入門に最高のシーズン 茂手木プロがルアーで狙うノウハウ解説

春になればこんな大型バスがヒットしてくる

<釣りをしようよ!!>

水温が上がって、大型のブラックバスが各地でヒットし始めた。茨城・新利根川「松屋」、千葉・亀山湖「ボートハウス松下」、山梨・河口湖「ハワイ」などでは、50センチ超級も出ている。春はバス・フィッシングを新たに始めるのにはちょうどいい時季。ルアーで狙う人気ターゲットに対するノウハウを、バスプロの茂手木祥吾氏(44)に解説してもらった。

「春はバス・フィッシングを始めるには最高のシーズンです」。茂手木プロが力説した。バスの適水温は18~25度。ちょうど水温が上がり始め、エサを求めて動きだすからだ。実際に行こうと思ったら「待った」がかかった。

茂手木 まずは準備の第1段階として、情報を集めます。どんな湖のどういった場所で、どんなルアーが有効か?

湖の情報は釣り欄などでチェックするとして、まず一般的にバスがいる場所を特定しよう。2本の柱は、<1>「酸素量の多い場所」と<2>「日陰」だ。

茂手木 <1>は風や波も立っていたり、きれいな水が流れ込んでいるため、プランクトンが入り、バスのエサとなる小魚なども入りやすい。<2>は身を隠しやすい。どう猛なくせに警戒心が強い魚なので。これに<3>として、適水温の場所を重ねます。

実際に湖川を歩くと、沈んだ舟や大石、橋げたの周りやアシ際など、バスが潜んでいそうな障害物は多々あるはずだ。これに水面まで覆いかぶさっている木、流れ込み、岬の突端の岩場など自然の要素が加わる。いそうな条件が多ければ多いほど、ヒットの確率は高くなる。通称「春爆」といって、エサも含めてヒットのパターンさえつかめば体の大きな動けるバスが掛かることが多いのは、このためだ。

それではルアーは何がいいのか? 釣具店のルアーを見ただけでは判断に迷ってしまう。

茂手木 最も簡単なのは、スピナーベイトとミノー。どちらも常に投げて巻けば、勝手に水中で動いてくれる。まずはタダ巻きから。難しい技術は必要ないので、投げて巻くというルアーの楽しさが味わえる。初心者にお勧めです

ルアーの特性を知れば、釣り方が決まる。スピナーやミノーがどれだけ飛ぶかや、狙ったポイントにキャストできるかも含め、技術を試すいい機会にもなる。好きな方を選んで、経験者にルアーに合った誘い方を教わってもいい。

バスで使うルアーは世界一、種類が多いとされる。泳いでいるのが表層か宙層か、底かによっても選ぶルアーが違う。それは、始めてから学ぶ。次の段階のお話しだ。

では、現場に入ってどんなことをすればいいのか?

茂手木 まず高い場所から水中を見て、水深や底に何があるのかチェックすべきです。初心者が岸から投げる場合は、足場のいいところで、水辺から少し離れて投げてください。

えっ、離れるの? 思う人がいるかもしれない。不用心に近寄って水面に人影が入ったり、足音が響くと、せっかくいたはずのバスが警戒して散ってしまうからだ。

茂手木 最もいそうな場所へとバスに気付かれずにルアーを投げ込めば、無防備なバスは一投目から興味を示します。これはどんな釣りにも言えることです。

さあ、やってみよう。

◆茂手木祥吾(もてぎ・しょうご)1976年(昭51)5月26日、東京都練馬区生まれ。3歳のころから祖父や父に連れられ、釣りを開始。船、磯、渓流からルアーまですべてをこなす。23歳でバスプロに。現在、日本の中でも実力者がそろう、JBのトップ50メンバーに名を連ねる。2012年(平24)には福島・桧原湖で優勝もしている。

<ワーム>

ブラックバスでよく使うのが、ワーム。合成樹脂製のソフトルアーで、メタルジグやミノーなどのハードルアーと対照になる。ミミズなどの虫エサ、尾をヒラヒラとさせる小魚、ザリガニに似せたクロウ系など、タイプはさまざまで、バスの食性により使い分ける。

ラバージグや、専用のフックとシンカー(シンカーを使わず、ワームとフックだけの場合=「ノーシンカーワーム」と言う)を使い、足首が隠れる程度の浅場から、深場まで自在に対応できる。釣り糸の結び目のすぐ横にシンカーが付いたフック(針)のあるジグヘッド、胴突き仕掛けよろしくシンカーに釣り糸を結び、その上にフックをつけるダウンショットなど、組み合わせは多彩だ。

神奈川・芦ノ湖、山梨・河口湖や西湖のように、ワーム使用禁止の釣り場もあるので注意。

<アドバイス>

◆ルアーを選ぶときの基本 水が澄んでいたらナチュラル系。ワカサギなど、魚に似せたカラーがいい。濁りが入っていれば金、ピンク、蛍光イエローなどのハデハデ系。ずっと同じ色で投げていると、魚に飽きられる。アタリがなければ暖色→寒色→ナチュラルといったように色を変えてみる。

◆最初はベテランと 経験者と一緒なら、ポイント選び、ルアー選びや誘い方などが参考になる。

◆キャスト 投げる前、後ろに人がいないか必ずチェックする。

◆帽子とサングラス 帽子は頭、サングラスは目元を保護するための必需品。決して格好をつけるためではないので、念のため。

◆バーブレス 針の返しをペンチで事前につぶす「バーブレスフック」に。魚を傷めず、外しやすくするための配慮。

▼ブラックバスが狙える日刊スポーツ指定共栄会の釣り宿=茨城・新利根川「松屋」【電話】0299・79・1369。千葉・亀山湖「ボートハウス松下」【電話】0439・39・2926。同・三島湖「ともゑ」【電話】0439・38・2544。神奈川・相模湖「柴田」【電話】070・3660・6363。同・芦ノ湖「うえ乃」【電話】0460・84・8471。山梨・河口湖「ハワイ」【電話】0555・76・7629。同・西湖「白根」【電話】090・4917・4480。同・精進湖「湖畔荘」【電話】0555・87・2003。

※入漁料、ボート代、出舟時間などは各宿にお問い合わせください