横浜・本牧 東京湾マダコ対決 大魔神VS松本アナ 勝つのはどっちだ

さすがクローザー。大魔神、最後に2キロのマダコを釣り上げ、締めてくれました

<釣りをしようよ!!>

「大魔神」こと日刊スポーツのプロ野球評論家・佐々木主浩氏(53)が、サンケイスポーツ代表でニッポン放送の松本秀夫アナウンサー(59)と、今季も滑り出し上々の東京湾のマダコで対決した。今回はサンスポホームの横浜・本牧「つり船 長崎屋」に乗り込んだ。昨年から始まったこの企画、今年に入って連勝中のニッカンの3勝2敗1分け。今回は、それぞれ女性と組んでのミックスダブルス戦にした。各2匹の重量の合計審査とした。なかなか潮が流れず苦戦するなか、1キロ超級を乗せて勝ったのは果たして?

大魔神にとってはリベンジマッチとなった。昨年6月の第4戦、同じ長崎屋で行ったマダコ対決では終盤、松本アナ奇跡の3・53キロゲットという、「逆転サヨナラ本塁打」を食った。1年前に黒星を喫した場所での再戦。それ以来、勝利から遠ざかっている松本アナは、大魔神の天敵であるサンスポ釣り担当の川目梢記者と組んでのミックスダブルスを提案してきた。

「負けるはずがない」。自信を持っているニッカン側、ホーム裁定に受けて立った。大魔神と一緒に相模湾で五目釣りをしたことのある、BS釣りビジョン「大漁!関東沖釣り爆釣会」6代目リーダーで、釣りジョの太田唯チャン(26)を「選択希望選手」として指名。コラボ対決史上初のタッグマッチが実現した。

当日は、午前10時ごろに干潮となる中潮。最初は扇島に入った。「(潮が満ち始める)午後からの後半勝負ですよ」。左ミヨシ(最前方)で大魔神、用意してきたサオにエギで誘い始めた。底を20回、30回と小刻みにたたいて目の前にエサとなる小魚やエビなどがいるよう、演出する。

一方の松本アナ、「昭和の男はテンヤだよ」と言いながら、いきなりテンヤの針カバーを外さず投入した。これには船中、大爆笑。しかも、乗りが悪いとみるや長崎恵夫(よしお)船長(73)からこっそりエギをもらう。「節操ねぇよな」。大魔神から思わず突っ込まれた。

潮の流れがよくないのか、出だしは乗りが渋い。テンヤ組の松本アナ、川目記者、唯ちゃんも、ただ1人エギザオで攻める大魔神も、時折乗るのは300~500グラムの小ダコばかり。しかも、ポイントを移動して1投目に乗せて拾う。これを逃すと厳しかった。

それぞれ2匹でチーム総重量のため、キープするサンスポ側に対し、「小さいサイズは放流」と余裕を見せる。そんな前半の流れが、思わぬ形で変わった。

午後0時30分ごろ、「根掛かりか?」とサオをシャクった大魔神の道糸が、音を立てて沖側に50メートルほど走った。懸命に巻き取ると、浮上してきたのは3メートルはあろうかというエイだった。海面でエギから外れてバラしたが、この見せ場でがぜん闘志が燃え上がった。

横浜港の周りへと移動した午後1時ごろ、試合が動き始めた。川目記者が2回、乗せ損ねた後だった。それまで「オサワリ」程度のアタリに慌てて反応しては合わせがすっぽ抜け、空振りの連続だった唯ちゃん。佐々木プレーイングコーチが「どストレート」な助言をした。「乗ったら即合わせるんじゃなく、ワンテンポ待ってから合わせて」。

テンヤのカニエサを確実に抱いたと確信した唯ちゃん、ひと呼吸置いて、底の岩場から吸盤を引きはがすように大きく合わせた。「乗りました!」。渋糸をたぐり寄せる。長崎船長のタモに1・85キロが取り込まれた。2人ですでに2匹ずつ釣り上げ、それら全部を合わせても1キロくらいのサンスポを一撃で逆転だ。

そこへ大魔神の携帯に、加奈子夫人(元女優の榎本加奈子さん)から電話が入った。「今夜のおかずのたこ焼きは調達できたんでしょうね。何も用意してないし」。

「待ってろよ」。

終了30分前、大魔神は確信した。「ここはいるよ」。オモリ40号やエギが底をたたく感覚からきつい根があり、大ダコはその間に隠れていると読んだ。誘ってすぐ、サオがしなった。エギを抱えて上がってきたのは、2キロの良型だった。「さすが、クローザー」。パートナーの唯ちゃんからも声が掛かった。

この後、「こわ~い一発」を秘めた松本アナの2度目の奇跡は起こらなかった。検量の結果、サンスポチーム1・18キロ(松本アナ2匹で0・71キロ、川目記者同0・47キロ)に対し、ニッカンは2人の良型を合わせて3・85キロ。見事な連係で、後半勝負のチャンスをモノにして今年3連勝としてくれました。【赤塚辰浩】

<これまでの対決>

大魔神は現役時代から松本アナと仲良しで、釣りを趣味としていた。それぞれ釣りの紙面にも登場しており、「いつか両方の紙面で同じ釣り物を掲載しよう」と約束していた。

19年12月、サンスポ推奨店の金沢八景「米元釣船店」で実現。タチウオのエサ釣りでまさかのドロー。翌年、久料「魚磯丸」、富浦「共栄丸」のニッカンの釣り宿でコマセマダイで対決し、松本アナ、大魔神の順に勝利した。そして、6月の「長崎屋」マダコ対決で松本アナの逆転勝ち。

今年初戦(3月)のサンスポ側の勝山「庄之助丸」五目対決で、2・35キロと1・82キロのマハタをそろえた大魔神が勝つと、続く八景「太田屋」マダイ対決も匹数「4タイ0」で連勝。3勝2敗1分けと初めてリードした。

【概況】ここ2~3年、東京湾ではマダコ・フィーバーが続いている。今年も開始早々から5キロ近いサイズも上がるなど、滑り出しは上々だ。長崎船長によると、「開幕の時季に1度、大きなサイズが上がった後は、根の間からわき出た300~500グラムの小型主体の数釣りになる。その中に、1~2キロの良型が乗ってくる」という。ひと潮ごとに大きくなるマダコ。これから暑さが増すに連れ、釣り人も「熱く」なる。

▼本牧「つり船 長崎屋」【電話】045・622・8168。電話予約制。受け付け開始は午前6時。同7時30分までに済ませ、準備でき次第、同8時目安に出船。マダコは渋糸、タコテンヤ50号付きで9500円(女性・高校生は6000円、小・中学生5000円)。テンヤ紛失の場合、700円。氷は各自で持参すること。