千葉・相浜 シマアジ演歌対決 出光仁美歓喜38センチ、和田青児はバラす

演歌界随一の釣り好き和田青児(右)とともにシマアジ・マダイに挑んだ出光仁美。見事本命ゲット!

<釣りをしようよ!!>

その強烈な引きで釣り人を魅了するシマアジ。演歌歌手の和田青児(51)と出光仁美(36)が、10年前からシマアジを追い続ける千葉・相浜「松丸」(西藤裕船長=61)でマダイとのリレーに挑戦。見事シマアジをゲットした出光だったが、釣りあげた瞬間、壊れた!?

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その瞬間は突然やってきた。置きザオにしていた出光のサオが弧を描く。異変に気付いた「ニッカン釣りちゃん」鹿野芳博カメラマンの「出光さん、引いてる、引いてる!」に、すぐさま反応。「結構、重いですよ。何これ? イサキとはちょっと違いますね」。西藤船長が船室から顔を出して様子をうかがう。「これはそうだな!」とタモを用意すると、出光の横に構えた。銀色の身体が水面で光る。「バラしたくない!」。心の声が漏れる出光の横で、西藤船長は冷静にタモを入れ、見事38センチのシマアジをあげた。

「釣れた~! やった~! ありがとうございます」と破顔一笑の出光。「シマアジ、シマアジ…」とうわ言のようにつぶやきながら甲板に横たわると、抱きかかえて頬ずりをする勢いだった。髪は乱れ、健康サンダル(?)は脱げ、はだしで横たわるさまは、完全に壊れていた。

「ほら、いたでしょう。俺がそこに逃がしておいたから」と和田。実はこの数分前、和田もシマアジを掛けていた。西藤船長がタモを持って横で待ち構えたが、痛恨のバラシ。「早くあげないとサメに持っていかれるって。魚影が見えていただけに悔しいな…」と話した後だった。

この日の仕掛けは、全長2・2メートルハリス6号の3本針。2本は白と水色のウイリー針でハガネムツ針太地15号、餌針は遠征五目針11号だった。出光のシマアジは水色のウイリー針に掛かっていたが、実は横がかり。「掛けても半分はバレる」(西藤船長)という状態だった。出光は「普段マアジでよくバラすので、バラさない引き上げ方を自分なりに練習してきた。それを思い出しながら、とにかくバラさないようにと、それだけを考えていました」。それだけに反動が大きかった。「釣りあげた瞬間、反動で感情が爆発してしまいました。シマアジと巡り合えた感動で抱き締めたくなりました」と振り返った。

和田は演歌界随一の釣り好き。20年前にゴルフクラブを釣りザオに持ち替えた。演歌界では「釣り好きがあまりいないかも」という和田だが、「三山(ひろし)くん、純烈の白川(裕二郎)くんとかは知っていたけど、仁美ちゃんがやるなんて知らなかった。今後、演歌界でも釣りの輪を広げたいですね」とニコリ。「今日の釣果は負けたけど、目的は達成できましたから。私はずっとイサキちゃんばかり。釣りを覚えたのがイサキなんて話したけど、あれでイサキばかり寄ってきたのかな」と笑い、最後は「また誘ってください!」と手を振った。

「10年前は10キロ級が毎日掛かっていて、10キロのマダイが掛かっても『な~んだマダイか』ってね。去年はシマアジが良すぎた。今年はやっと35センチくらいになってきたので、今後はシマアジ主体になりそう」と西藤船長。シマアジの強烈な引きを味わうなら、これからが好機だ。【川田和博】

▼西藤船長アドバイス シマアジの釣り方について、西藤船長のアドバイスはこうだ。「とにかく、底からずっとマメに誘うこと。着底したら根掛かりしないように底を切って、それから10メートルまでの間で誘う」。アジ科とあって、口が弱い。「上下に掛かれば大丈夫だけど、横に掛かったら半分は外れちゃうくらい弱い」。それだけに、あげた時の喜びも大きいぞ。

◆シマアジ スズキ目アジ科に分類され、大型になるアジ。本州以南の比較的浅場に生息する釣り界のスーパースターで、80センチ超は通称「オオカミ」と呼ばれる。天然物の市場価値は高く、2~3キロ物は1匹1万~2万することもある超高級魚。

◆相浜「松丸」【電話】080・1154・5283 この時季の狙いは「シマアジ・マダイ」。朝方シマアジを狙った後、マダイを狙うリレー。集合4時30分、コマセ&氷付き1万1000円。また、午後イサキは集合正午、コマセ&氷、イカバイオ付きで1万円。

◆出光仁美(いでみつ・ひとみ)1984年(昭59)9月7日、福岡県宗像市生まれ。大学在学中に美術教員免許を取得も一般企業に就職。その後、夢だった演歌歌手を目指し作曲家水森英夫氏に師事。10年4月、「おんな七厘・神楽坂」でデビュー。昨年8月、最新曲「あいたか橋で」をリリース。レギュラー番組は「ラジオdeヒットミー」(ぎふチャン日曜午前7時30分、山形放送火曜午後6時10分)。150センチ。血液型A。

◆和田青児(わだ・せいじ)本名・和田成司。1969年(昭44)7月27日、福島県郡山市生まれ。尊敬する北島三郎の付き人として修業し、99年「上野発」でデビュー。第41回日本レコード大賞新人賞受賞。今年2月、最新曲「自分」をリリース。現在、西日本放送「青ちゃんラジオ19ボックス」(日曜午後5時)のパーソナリティー。楽器はドラム、津軽三味線、ギターをこなす。趣味は釣り。特技は空手。血液型O。