千葉・大原 哀川翔ヒラメ釣り 出遅れも終盤巻き返し1・5キロもゲット

アニキ、見事2キロ級のヒラメをゲット

<釣りをしようよ!!>

「アニキ」こと俳優哀川翔(60)が、これからシーズンを迎えるヒラメを釣ろうと、千葉・外房は大原「力漁丸」(中井聡船長=60)から出船した。朝一番のゴールデンタイムにチャンスを逃したが、粘りと頑張りを発揮。終了1時間前から巻き返して、500グラムと1・5キロを2匹ゲットした。

アニキは出遅れた。投入開始の午前5時30分から約2時間、右舷ミヨシ(最前方)から2番手でサオを出していたが、モーニングサービスにありつけなかった。水深35メートルほどのポイントで、早々から好反応が出た。アタックチャンスだ。10分もたたないうちに左舷トモ(最後方)2番手、力漁丸初乗船の山口拓治さん(51)のサオが大きくしなり、第1号を上げる。エサの生きイワシをしっかり食っていた。

これがチャンスタイムの始まりとなった。岩礁地帯や砂泥底に潜み、小魚を捕食するヒラメの食いは立ちっぱなし。サオを出した13人のうちの紅一点、左舷ミヨシ2番手の愛川りささん、左舷ミヨシの金子聡(あきら)さん(60)、右トモの田村等さん(60)、右胴の間で外房のヒラメ初挑戦の上野弘康さん(52)、右ミヨシでアニキの仲間のエイジさんと、手持ちで誘っていた人は立て続けにモグモグタイムをものにして食わせた。

活性が高いらしい。イワシをゆっくりかじるのではなく、ひと飲み。まさに「一撃必殺」で針掛かりする。山口さんも上野さんも、「オモリが着底してリールをひと巻きしたら、グングンと大きなアタリがあったので合わせた」と声をそろえた。釣りの格言「ヒラメ40」(アタリが出ても、エサのイワシをゆっくりかじってのみ込み、完全に針掛かりするまでじっくり待って、心の中で40数えてからしっかりサオをあおって合わせるという意味)は、まったく関係なかった。

アニキの置きザオにも、ヒラメらしきアタリは2回あった。着底したらリールをひと巻きしてキーパーに置く。オモリが底をたたいたら、道糸を巻いて待った。好調の波は2時間ほどで引いていった。「やばいよ」。焦りは隠せない。この後、1度はイワシに歯型を付けられた。もう1回は後ろ半分だけがかじられていた。「いつか来るよ」。我慢するしかなかった。

水深15メートルの浅場に移動すると、右隣のノブさんの置きザオにアタリが出た。慌てて合わせた上、電動のスイッチを入れたため、バラしてしまった。

朝一番の高活性とは違い、セオリー通りの「ヒラメ40」モードになったようだ。「クンクンと穂先を揺らしてイワシをかじる前アタリがあったら、ロッドキーパーからサオを外して時に道糸を送り込んでください。グイーンとサオを絞り込んだら完全に食い込んだ証拠。この本アタリでしっかり合わせたら、電動ではなく手巻きでやりとりしてください」。中井船長がアナウンスする。

終了1時間前、ヤマ場がやってきた。アニキの置きザオに待望のアタリが訪れた。ひと呼吸置いてサオを手で持つと、本アタリが出た。「よしっ、来た」。1匹目は500グラムほどだったが、「貴重な1匹だ」と大事そうに取り込む。孫針が頭に刺さっていたのも見逃さなかった。「海の中で、こういう形で針掛かりしたのをイメージすればいいんだな」。

直後に再度、前アタリが出た。サオを手持ちにして本アタリが出たら合わせる。「さっきよりもデカイぞ」。慎重にやりとりすると、1・5キロ級の良型がゆっくり海面に姿を見せた。「どうだ!」と獲物を手にした。

大原では9月からのスタート後、ある日の釣行では4・1キロ、7キロ、8・1キロと、大物が3連発で出た。「イワシが回遊していれば、確実に座布団サイズが釣れますよ」(中井船長)。

終盤、完全にコツをつかんだアニキ、「よしっ、次は大物を釣ってやる」。意気揚々と引き揚げていった。【赤塚辰浩】

<中井船長のアドバイス>

中井船長によると、大原沖のヒラメ釣りは日によって型物が出たり、数が伸びたりしているという。確実に獲物を取り込むため、「仕掛けの親針と孫針を大きめにすること、ハリスと捨て糸の号数を統一することが肝心」と話す。

実は今回の釣行時、アニキもそうだったし、6匹を釣ってサオ頭になった愛川さんも、すべて獲物は孫針に掛かっていた。「ヒラメが孫針にしか掛かっていない例は、よくあること。アユの友釣りで使うような小さな3本イカリは、外れやすいのでNGです」(中井船長)。

愛川さんは、もうひと工夫していた。捨て糸の長さを20センチとしていた。通常は40~50センチ。「短くすることで、エサが底をはいやすいようにした」。同じ条件でも、釣れる人は何かしら考えている。

▼船 大原「力漁丸」【電話】0470・62・0575。ヒラメ集合4時。12~2月4時30分。エサ・氷付き1万2000円。午後マダイは正午集合で、エサ・氷付き1万2000円。オニカサゴは午前便と午後便があり、氷付き各1万2500円。