東京湾タチウオ対決 出遅れ松本アナに忍姉さん激指導、大魔神たなぼたV 

どうだとばかりに一荷で掛かったタチウオをかざす大魔神

<釣りをしようよ!!>

本紙プロ野球評論家の「大魔神」こと佐々木主浩氏(53)が神奈川・川崎「つり幸」(幸田一夫船主=72)で、サンケイスポーツ代表で還暦を迎えたニッポン放送の松本秀夫アナとタチウオ対決を行った。今回は釣り雑誌「つり情報」も相乗り。女性アングラーの「忍姉さん」こと三石忍さんがゲスト参戦した。テンビンを使ったエサ釣りで、立ち上がりから釣果を順調に伸ばす大魔神に対し、ライバルは出遅れた。見るに見かねた姉さん、松本アナにスパルタ指導が始まった。

プレーボール(投入開始)と同時に、右舷ミヨシ(最前方)というマウンドで大魔神は飛ばした。東京湾の下浦沖は好反応。数釣りが楽しめる実績ポイントは活性も高く、1投目から目指すタチウオを釣り上げた。2投目で連釣だ。「最初はモタッと重くなりました。次はコツコツと出たアタリの後に少し待ってしっかり合わせました」。船内のあちこちでもガツガツとアタリが出て穂先が揺れ、サオがしなる。乗船13人のうち、右ミヨシ3番手の約1人を除いては。

「松本さん、テンビンの付け方が違うでしょ」。右ミヨシ2番手の忍姉さんが、声を上げた。松本アナ、正しく付けて仕掛けを投入したはいいけれど、次は手前マツリ。仕掛けを回収するたびに、ハリスがテンビンに巻き付いていた。「指示ダナ(船長がアナウンスした水深)まで落としたら、ハリス分巻いて」。姉さんの指導が矢継ぎ早に飛んでくる。トラブル連発に好機が遠ざかる。使っていた2本針仕掛けの封印令が出て、1本針へと変更した。

出遅れること25分。ようやく松本アナも参戦した。順調に釣果を重ねる大魔神と忍姉さん、2本針に一荷で掛けるシーンもあった。対する還暦アナにはここでさらに厳しい指導が。「サオ先をちゃんと見て!」「本アタリが出たら、しっかり合わせて」。

タチウオの釣行約30回、大魔神との記念すべき第1回のタチウオ対決では引き分けに持ち込んだ釣り歴50年の還暦アナ、タジタジになりながら、反撃に転じた。「釣り歴50年にして、ようやく合わせることを覚えました」と苦笑いした。

スパルタ教師が落ちこぼれ生徒を厳しく指導するの図を見ながら、大魔神は数を伸ばす。「隣の姉さんの釣り方を見て、参考にしました」。指示ダナからリールのハンドルを半回転させながらシャクって止める。スローな誘いをしたり、早めの回転で5回ほど巻いて誘って止めるなど、気まぐれな「幽霊魚」の気を引いた。「佐々木さんは言うことなし」。及第点も出た。

午前8時すぎから約3時間、アタリは出続けた。この後、走水沖に移動した。一発大物狙いだ。かじを取る水野聡船長(65)によると、「夏場からたたかれ続け、場荒れしたポイントでタチウオもスレている」という。腕が問われた。

移動してすぐ大魔神のサオがしなった。海面まで獲物は見えていた。取り込み寸前、少しハリスを緩めた瞬間にバラした。「合わせが甘かった」。この反省をもとに次は最初のアタリが出てから約3分待って、やっとの思いで1匹追加した。「食いが浅かったけど、何とか取れました」とホッとした表情を見せた。

釣果は大魔神25匹、松本アナ17匹、忍姉さん33匹。ただし、今回の対決審査は、最長のタチウオから最短サイズを引いた数字の多い人が勝ち。大魔神最長92・3センチ、最短71・1センチ、その差21・2センチ。松本アナ88センチと69・2センチでその差18・8センチ、参考までに忍姉さんは85・4センチとシッポが切れた50・3センチでその差35・1センチ。大魔神の勝利に、「まあ、こんなもんでしょ」と高笑いした。

一方の松本アナ、「教えがいがありました」と忍姉さんに言われるほどの上達ぶりを見せ、「タチウオの釣果はおそらく過去最高です」と話す。どうやら今回は、「60の手習い」となったようで。来年も引き続き行う対決で上達した腕を見せてもらいましょう。

▼船宿 川崎「つり幸」【電話】044・266・3189。タチウオ出船午前6時50分。エサ釣りは氷・エサ・仕掛け付き9500円。ルアーは氷付き9000円。エサ釣り用のテンビンはライトタックル(LT)のアジで使う20センチ前後の腕長だとアタリが取りやすい。ハリスはフロロ6~8号、長さ2メートル、針は2/0~3/0。鋭い歯で切られるため、仕掛けは多めに。針を外すプライヤーや獲物をつかむクリップは必需品。オモリは潮の速さにより30、40、60、80号と使い分ける。LTアジもあり、午前船はタチウオと同じ6時50分出船、午後船は同午後0時30分。ともに6500円(コマセ・氷・仕掛け1組付き)、女性と中学生以下同3500円。