山梨・西湖の日刊スポーツ共栄会「白根」(渡辺安司代表=64)では、ヒメマスが間もなく旬を迎えそうだ。
取材で訪れた16日は、台風の影響かいつもとは逆の北西風が吹き、肌寒さを感じさせた。数日前に気温が上がったことで桜が一気に開花したが、この日の日中の気温は10度まで下がった。「気温の上下幅が大きいと魚の食いに影響が出ます。低くても一定のほうが、食いも安定しますね」と渡辺代表。
西湖におけるヒメマスの釣り方は主にトローリングと餌の2通り。
トローリングは「ヒメトロ」と呼ばれ、電動ボートで仕掛けを流す釣り方だ。「人が歩く速さの時速2キロくらいで流します。水深10~15メートルほどで食ってくると良型が望めます」。西湖の平均サイズは20~23センチだが、1回り上の「25~26センチが食ってくる」という。「大型は泳ぐスピードが速いので、トローリングのスピードが遅いと見切られてしまいます。この見切られてしまうかどうかの速度調整がポイント」と続けた。
仕掛けは道糸の先にまずオモリが付く。そこから数枚の集魚板をつけたハリスの先にルアーを付け、1本もしくはチラシ3本針をセットしたものを使用。針は赤系が効果的。餌も紅サシだが、「どういうわけか赤が釣れる」という。
井上信義さん(51)もヒメトロにはまった1人。「今日は渋い!」と言いながらも9匹を釣り上げた。「つ抜けしたかったけどダメでした。でも型が良かったのが救いです」と笑った最大は25センチだった。「タナは10メートルくらい。朝方5匹釣れて、午前9時くらいから昼間まではサッパリ。昼すぎにまたポツポツ釣れて、夕方はダメでした」と振り返った。
ヒメトロのポイントは「速度」だという。「(道糸が)45度キープで流して、時に速く、時に遅くと強弱をつけて誘っています」。速い誘いでヒメマスがリアクションバイトすることもある。リアクションバイトで掛かるのは良型が多いが、この日は「ゆっくりめの方が良かった」という。「日によって違うので、その日の正解を探すのが楽しいんです」と話した。
餌釣りは紅サシかイクラを使用。秋はイクラの反応が良いが、この時季は紅サシが有効だ。タナ取りが重要で、「この時季は水深10~15メートル辺りで釣れています。餌となる虫の羽化の関係か、秋よりも5~10メートル浅いです。日が上がる前は3~5メートルでも食っています」と渡辺代表。食い気が高いときは置きザオでも食うが、反応がないときは「ゆっくり上下させるか、舟を揺らすのも効果的。あまりガシガシ誘うと魚が散ってしまいます」とアドバイスをくれた。
吉村秀司さん(52)浅場亮さん(39)は釣り仲間計6人で13匹を釣り上げた。最大22センチを釣り上げた吉村さんは「午前10時くらいだったかな。水深は15メートルくらいで、着色したコーンに食ってきました」。ヒメマスの魅力は「食べておいしいこと」だという。「ウチらは普段海釣りなんですけど、ヒメマスはとにかくおいしいので、この時季は西湖でヒメマスを狙っています」と話した。
この日の水温は9度台。「今後水温が2桁になって、15度くらいまでの間が狙い目。ゴールデンウイーク明けあたりが狙い目になりそうです」。西湖を知り尽くす渡辺代表は、そう予測した。