東京湾の夏の風物詩、マダコ釣り解禁「例年並で、トップ10匹は釣れるようになる」

禁後初出船で最大2.8キロを上げた森田悠介さん

東京湾の夏の風物詩、マダコ釣りが1日に解禁となった。定休日と重なったため2日に初出船の神奈川・鶴見「新明丸」(新明利勝船主=68)に乗船した。台風2号の影響で大雨予報にもかかわらず、解禁を待ちわびたファンでにぎわった。今回、解禁したのは本牧よりも北側のエリア。昨年は当たり年といわれたが、果たして今年のタコの湧きは?

釣り場に到着すると、潮が真っ茶色だった。担当のフグ船が休みで仲乗りとして乗船した林大地船長(32歳)に聞くと、「雨の影響ではなくプランクトンが発生した色なので悪くない」とのことだった。同船は餌木もテンヤも可能だ。林船長によれば、「この時季は餌木のほうが数を伸ばせると思います。まだ小さいサイズが多いため、テンヤだと針の間をすりに抜けてしまうこともありますので」という。

開始直後、1キロ弱の良型が上がった。その後も1キロ級や今年湧いた小ぶりなものまでポツポツと取り込まれた。この日の最大2・8キロを含め8匹を釣り上げサオ頭となった左舷大ドモの森田悠介さん(37)は昨年の秋からマダコ釣りを始め、解禁を楽しむのは初めて。お気に入りの黄色の餌木で派手なアクションを入れず、底をなでるように誘い2・8キロを上げた。仲間5人で乗船した椿亮彦さん(52)は6匹釣り上げた。前日も「仲間と仕立て船でマダコの解禁を楽しんだ」という。解禁日は初めての直井義晴さん(64)は、バターを染みこませた吸水紙を餌木に巻いて挑み、5匹を釣った。解禁日は毎年休みを数日取り楽しんでいるという志賀久美子さんは4匹を手にした。雨や風が強まる時間もあったが、納竿時間いっぱいの午後3時まで楽しむことができた。

帰港後、高橋英夫船長(53)にこの日の状況を聞くと、「南風が強く行けるポイントが限られてしまった。風を避け扇島内側を中心に狙った。例年だと梅雨明けの7月中旬ごろから良くなるポイントです」。林船長は「でも根がかりが少ないし、大きいのが出るのでいい場所ですよ」と付け加えた。高橋船長は今後を「例年並で、トップ10匹は釣れるようになると思います」とアピールした。

7月1日には富岡&小柴沖も解禁され、エリアも拡大される。梅雨の水を飲み大きく育つとも言われているマダコ。これからが楽しみだ。

今回乗船した新明丸はJR、京急鶴見駅から徒歩5分ほどで、電車釣行も可能。帰りのクーラーが重過ぎてうれしい悲鳴を上げることもある。【渡辺久美子】

▼鶴見「新明丸」電話090・4600・1225。出船午前7時30分。餌付き1万円。マゴチ、フグも出船中。※詳細は電話でご確認ください。