福井・小浜湾 あの手この手で…ソノ気にさせて…“ツンデレ”キス船中188匹

大型のキスを釣り上げた田中雅夫さん(撮影・大津賢一)

<乗合船FISHING>福井・若狭本郷 はやし渡船

ツンデレキスにメロメロ!? 福井・小浜湾で握り応えのある良型のシロギスが狙いどきを迎えている。同所の「はやし渡船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の乗合船で15日、同湾の勢浜沖へ出た。20センチ級が次々と竿を曲げ、竿頭の49匹をはじめ、船中5人で13~24センチを188匹釣り上げた。シーズン初期で食い込みは浅く、ヒットパターンは日替わりメニューのようだが、あの手この手で針掛かりに持ち込むのが楽しい。これから水温が上がるにつれてキスの活性も高くなり、数、型ともに期待できそうだ。【大津賢一】

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どんよりとした曇り空だが、雲間からときおり陽光と青空が顔をのぞかせる。海面もおだやかで、好釣果への期待が高まる。午前6時15分ごろに最初の釣り場に到着。底は砂地、オモリは20号からスタート。開始10分もたたないうちにそれぞれ最初の収穫が! 記者もやや遅れて20センチの1匹目をゲットし、ほっと一安心。

キス釣りのさまざまなノウハウを会得している林和正船長。目まぐるしく変わる海況に合わせて、細かく船の位置やポイントを変えていく。そのおかげで、コンスタントに釣果を重ねていけた。

船長は小刻みに竿先を震わせる誘いで、ツンデレキスたちを次々とその気にさせていく。この時期のキスは、早合わせNG。アタリが出ても、食い込むまでじっと我慢。オモリで底をトントンとたたくのもダメだという。エサは石ゴカイの1匹刺しで様子をみて、掛からなければ短くしていく。

同7時ごろには、船内のあちこちで連掛けも出るようになり、20センチ超の抱卵した豊満ギスが上がりだした。同9時20分過ぎ、記者に大きな当たり。明らかにキスとは違う当たりで、上げてみると尺級のマアジだった。同10時50分ごろには、刺し身サイズの24センチキスもゲットした。

その後も着実に釣果を重ね、午後0時半ごろ納竿となった。

竿頭は田中雅夫さん(大津市)。自作の天秤を駆使して49匹を釣り上げた。天秤はオモリからハリスまでが一般的なものより長く、これにより小さなアクションでエサを大きく動かせるという。「とにかく楽しくて楽しくて。また来たくなる」と、キス釣りの魅力をストレートに表現してくれた。

35匹を釣り上げた加藤伸治さん(敦賀市)は「みんなで和気あいあいと釣りを楽しめたのが良かった」と、船上のアットホームな雰囲気を魅力に挙げた。

木村一郎さん(野洲市)と井角俊博さん(野洲市)は「サイズのいいのがたくさん釣れてよかった」と口をそろえた。

◆今後の見通し 8月いっぱいまで産卵期が続く。食いは渋いものの、大型を狙える。9月以降は落ちギスシーズンに入り、食いも回復して小、中型の数釣りが期待できる。条件が良ければ3桁釣果も十分だ。

【問い合わせ】はやし渡船【電話】0770・77・0591。乗合船料金は1人7000円(小学生以上)、乗合船は3人以上で出船。仕立船は5人まで3万5000円、1人増し7000円(中学生以上)、4000円(小学生)。釣り時間は午前6時~正午まで。仕掛け、エサ常備。

【交通】大阪から中国自動車道、舞鶴若狭自動車道を利用。小浜西ICを出て国道27号に入り舞鶴方面へ約3キロで右側に同渡船がある。