茨城・大洗 解禁即ヒラメ6・5キロ、ヒラヒラ舞った船中75匹「いいスタート」飛田船長も笑顔

全面解禁日にきよ丸最大6・5キロゲットの小橋三男さん

<釣りをしようよ!!>

茨城県のヒラメ釣りが1日、全面解禁を迎えた。同県では一足先の11月1日、鹿島沖で部分解禁していたが、いよいよ全面解禁となった。大洗港には解禁を待ちわびた多くのファンが夜明け前から集結。大洗「きよ丸」(飛田和弘船長=60)は最大6・5キロ、船中75匹を取り込む好スタートとなった。

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まだ夜も明け切らぬ薄暗い午前6時前、飛田船長の合図で一斉にサオを出した。1投目で船中1匹目を釣り上げたのは右舷大ドモの小橋三男さん(69)。「ヒラメの解禁は必ずきよ丸に乗っていて、もう20年以上通っています」という常連だ。「前アタリがあったので本アタリを待ってゆっくり合わせた」。獲物は約1キロだった。

小橋さんは捨て糸を60センチとやや長めにしていた。さらに、「底を20~30センチ切っているので、捨て糸込みで約1メートルは浮かせています」という。その理由は「大物を取りたいから」。ヒラメは底物だが、ベタ底狙いではソゲ(小型のヒラメ)が食い付く。飛田船長は「底から1~1・5メートル浮かせた方が大物が食うし、ソゲもかわせる。でもアタリが少なくなるので、我慢も必要になる」と説明した。

最初のポイントでは解禁日らしくタモ入れが間に合わない時間もあったが、全体的に型が小さめ。小橋さんも「ここまで小さいのばかりは記憶にないですね…」と首をかしげた。

約2時間でポイント移動を決断。これが功を奏し、2~3キロ級主体に顔を見せ始めた。左舷大ドモの海老澤龍雄さん(71)は3キロをゲット。タモ入れをした飛田船長の「もう少し上げて寄せて」に「上がらないんだって!」と返しながらも無事取り込んだ。「解禁日は昨年も来たけど、昨年の方が大きかった。でも大きいのが取れてよかった。これで大手を振って帰れます」と笑った。

この日最大6・5キロは小橋さんが釣り上げた。「前アタリがあってすぐにグンとなった。大きいとは思ったけど、まさかここまでとは思わなかった」とうれしい誤算を告白した。「解禁日としてはこれが最大。いいスタートが切れました」とホクホクに変わっていた。小橋さんは最大含め計7匹を取り込んだ。

この日のサオ頭は10匹で吉田謙吾さん(54)と戸塚茂さん(68)の2人で、船中は75匹だった。飛田船長は「イワシの反応が濃く出ていた場所で良い型が出てくれた。何はともあれ、ゼロもなくみんなが釣れたので良かった、6・5キロも出たし、解禁日としてはいいスタートだったと思います」とほほ笑んだ。「きよ丸」のヒラメは3月いっぱいまで楽しめる。【川田和博】

■「最大」小橋さん 仲間3人も好調

小橋さんは釣り仲間3人と解禁に挑んだ。サオ頭の1人吉田さんも仲間で、捨て糸60センチ、ハリス90センチで勝負。「少しだけ底を切っていました」で10匹を獲得した。松野雅一さん(70)は「底は少し切っていた」とし、捨て糸50センチ、ハリス80センチで9匹をゲット。細谷幸男さん(63)は「ほぼベタ底でオモリをコツコツしていた」とし、捨て糸は「最初50センチでやっていたけど45センチに変更した」という。これで7匹を釣り上げた。小橋さんの仲間4人で75匹中の33匹を釣り上げていた。

■大判を狙うなら「底を切った方がいい」

大洗沖では、解禁してしばらくの間は10~20メートルの浅場で楽しめる。浅場は主に砂地だが、大判を狙うなら「ベタ底でなく、底を切った方がいい」と飛田船長。「底を切らないとソゲばかりが食ってしまう。大物は餌を見つければ飛び付いて来る」とした。だが、「水温が下がりヒラメが深場に移動すると、イワシが入ってくる岩場狙いになる。そうなれば型も望めるけど、底を切らないと根掛かりもしてしまう」と続けた。「ヒラメ釣りで根掛かりする人はヘタ」という説もあるが、いずれにせよ底は切った方が良さそうだ。

■「背掛け」「腹掛け」どちらが良いの?

孫針は「背掛け」「腹掛け」のどちらが良いのだろうか? 飛田船長は「背掛けの方が泳ぎはいい」とした。この日、最大ゲットの小橋さんをはじめ7割は背掛けだった。その主な理由は飛田船長の言う通りだったが、中には「腹掛けだと根がかりが心配」という意見もあった。一方、腹掛け派は「大物は下から飛び付いて来るから」という理由が多かった。いろいろと検証してきたが「背掛け」「腹掛け」よりも重要なのは、針先がしっかり頭方向を向いていることのようだ。

▼大洗「きよ丸」【電話】029・266・2779。集合午前5時、活きイワシ&氷付き1万3000円。現在、平日限定で餌木マダコも受け付け(出船確定は3人以上)。※詳細は電話で確認を。

<日刊スポーツ共栄会でヒラメ釣りを楽しめる船宿>

▼鹿島「第三幸栄丸」【電話】0299・82・6032▼飯岡「梅花丸」【電話】090・2155・0500▼太東「重宝丸」【電話】090・8948・6669▼大原「力漁丸」【電話】090・7210・7492▼伊東「妙法丸」【電話】070・5010・7368