睡眠時無呼吸症候群(SAS)の自覚症状として<1>睡眠不足でないのに昼間に強烈な眠気を感じる<2>起床時に熟睡感がない<3>口が渇いている<4>夜間の頻尿<5>認知機能の低下<6>寝汗をかく<7>激しいいびき<8>疲労感や集中力の低下<9>抑うつ<10>頭痛、などが挙げられます。周囲からいびきや息が止まっていることを指摘されて気付くことが多いようです。

SASが疑われる場合は、「日中の眠気指数」(Epworth sleepiness scale)を調べてみましょう。以下の8項目についてそれぞれ0~3の4段階で評価します

(点数は0=うとうとすることは絶対ない

1=ときにうとうとすることがある

2=うとうとすることがよくある

3=大体うとうとしてしまう)。

(1)座って読書をしているとき

(2)テレビをみているとき

(3)公の場所で何もせず座っているとき(観劇や会議など)

(4)1時間続けて車に乗せてもらっているとき

(5)午後、横になって休息しているとき

(6)座って誰かと話をしているとき

(7)昼食後静かに座っているとき(飲酒なし)

(8)運転中、渋滞などで2~3分止まっているとき

正常は10点以下、11~12点は軽症、13~15点は中等症、16点以上は重症と評価されます。点数が高ければ高いほど眠気の自覚が強く、何かしらの睡眠障害が考えられますから、SASの可能性が高くなります。この指数はSASの治療効果の判定にも使われています。

次にSASの重症度を調べる検査になります。睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数を「無呼吸低呼吸指数(AHI)」と呼び、この指数によって重症度が分類されます。SHIを調べる検査には、簡易モニター検査と終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査があります。通常は簡易モニター検査で、呼吸や血中の酸素状態などを測定し、AHIを求めます。この検査では睡眠状態が分からないため、より詳細な検査を行う必要があれば入院してPSGを受ける場合もあります。

◆照山裕子(てるやま・ゆうこ)歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。分かりやすい解説はテレビ、ラジオでもおなじみ。昨年出版した「歯科医が考案・毒出しうがい」(アスコム)は反響を呼び、ベストセラーとなった。近著に「『噛む力』が病気の9割を遠ざける」(宝島社)。女性医師のボランティア活動団体「En女医会」会長。