世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス。未曽有のパンデミックに緊急事態宣言も発令され、社会のあり方が大きく変化している。他者とのコミュニケーションのあり方も大きく変化し、終息も見通せない重圧が続く。メンタルヘルスへの影響も懸念される中、「コロナうつ」との言葉も生まれた。長期化する「新たな生活様式」の中での「心」の問題とは。市ヶ谷ひもろぎクリニックの渡部芳徳理事長に聞いた。

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前々回、前回では「ひもろぎ式うつ尺度(HSDS)・不安尺度(HSAS)」の「うつ尺度」のチェックをしてもらいました。今回は「不安尺度」で不安症状をチェックしましょう。

点数はすべてで「まったくない」は0点。「たまにある」は(1)(2)(3)では各2点で、それ以外は1点。「ときどきある」は(1)(2)(3)では各4点で、それ以外は2点。「しょっちゅうある」は(1)(2)(3)では各6点で、それ以外は3点。これで計算します。

(1)心疾患 脈が速くなる・心臓がドキドキする・胸にしめつけ感や痛みがある等がありますか?

(2)呼吸器 息苦しさ・喉の違和感・声が出しにくい・ため息がたくさん出る等がありますか?

(3)自律神経 口の渇き・めまい・耳鳴り・目のかすみ・顔面紅潮・熱感・冷感・ムズムズ感・しびれ・頭痛・多汗・トイレが近い・生理不順等の症状がありますか?

(4)消化管 物が飲み込みにくい・胃の不調・吐き気・便秘・下痢・おなかの張り等の症状がありますか?

(5)緊張 緊張感・落ち着けない感じ・手足のふるえ・肩こり・筋肉の疲れ・部分的なけいれん等がありますか?

(6)恐怖感 暗闇・見知らぬ人・人混み・1人でいる事・大きな物体・死等に恐怖を感じますか?

(7)予期不安 (1)~(6)のような症状が起きるのではないかと不安になることがありますか?

(8)睡眠 眠れない・悪い夢を見る等はありますか?

(9)離人感 周りの人や風景が奇妙に感じる・その場に自分がフィットしていない・自分が自分でないように感じる等がありますか?

(10)不安 漠然とした不安・イライラ・最悪の事態が起こるのではないかと考えてしまう等がありますか?

評価尺度は、0~7点「問題なし」、8~15点「極軽度の不安」、16~20点「軽度の不安」、21~30点「中等度の不安」、31~39点「重度の不安」。早い受診、治療での快復度の確認に役立ててください。

(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)