眼障害防ぐコンタクトの使い方/ドクターの選択

<ドクターの選択(27)>

 今日はコンタクトレンズ(CL)の正しい使い方です。日本眼科学会によると、コンタクト装用人口は全国で1500万~1800万人ともいわれ、国民の10人に1人が使っていると推測されています。

 それに伴い眼障害が急増し、使用者の10人に1人に眼障害が生じていると推測されています。背景にはケア方法が簡便になったこと、安売り販売、一番大きな問題点はインターネット販売が広がっていることでしょう。医師の処方なしでコンタクトを販売していることが少なくありません。

 コンタクトによる眼障害は、時として失明につながる合併症を引き起こしかねません。安全に使うために、注意すべきことをいくつかまとめました。

 ◆定期検査を必ず受ける

 コンタクトによる眼障害の発生原因の中で、最も多いのは「定期検査を受けない」ことです。気付かないうちに目の傷から細菌が侵入し、感染症を発症し、失明につながるケースは少なくありません。本来、コンタクトは高度管理医療機器であり、眼科医の診察と処方が必要です。定期検査は自覚症状のあるなしにかかわらず、必ず受けましょう。

 ◆無理な装用をしない

 レンズメーカーは、レンズごとに装用可能時間を示しています。その数値はあくまで目安であり、目の状態や環境、作業内容などによって、人それぞれ異なります。コンタクトを長時間使うと、目は酸欠状態になり、細胞がダメージを受けます。1度ダメージを受けた目の細胞は2度と再生されません。決められた装用時間を守りましょう。

 ◆正しいレンズケア

 レンズケアの方法は種類によって異なるので、レンズに合ったケアをしましょう。コンタクトはすごく便利な半面、最悪の場合、感染症から失明に至ることもあり得ます。正しい使い方を学び、安全にコンタクトを使ってくださいね。

 ◆真鍋歩(まなべ・あゆむ)医師・医学博士。1984年(昭59)7月6日生まれ、東京都出身。日大医学部卒。専門は眼科。現在、日大病院眼科研究医員として臨床・研究に従事しながら、メドピアグループが提供するオンライン医療相談サービス「first call」運営に参画。自身も同サービスで健康相談に応じる。