おっぱいが邪魔 乳眠不足に注意/森田豊の健康連載

<ドクター森田の「健康になりなさい!2019」(1)>

昨年好評をいただいた、医師でジャーナリストの森田豊氏(56)による健康法がカムバック! 「ドクター森田の『健康になりなさい!2019』」と題して、装いも新たに帰って来ました。男女関係における医学的知識から食生活、睡眠、体臭などの生活にかかわる医学情報、気になる病気の最新情報まで、確かな健康法をお伝えします。さあ、今年もこれを読んでますます健康になりましょう!

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いきなりですが、おっぱいの話題です。世の女性のみなさん「乳眠(にゅうみん)不足に注意を!」。

睡眠に導入される過程として「入眠」という言葉がありますが、同じ「にゅうみん」でも乳眠は、女性が睡眠時に乳房を安定させて心地よく眠り、日中アクティブに過ごすために必要な眠り、です。体が疲れていると眠りにつきにくいことはよくありますが、おっぱいにも「よく眠れた」とか「あまり眠れなかった」という睡眠の差があるのです。

株式会社ワコールの調査によると、日本人女性の5人に1人が、「バストが邪魔で、眠りの妨げになっている」と答えたといいます。また、その半数以上の女性は「睡眠の質に満足していない」と回答しました。乳眠不足を訴える女性の、なんと多いことでしょう!

「おっぱいが邪魔」という感覚は、男性にはわかりづらいものですが、これは就寝時にバストが寝返りとともに動いたり、あおむけに寝ると左右に広がったりするためです。心も体も休息するはずの睡眠なのに、調査から女性の5人に1人はバストのせいでゆっくり休息ができず、その半数以上が睡眠の質に満足できていない状態だったわけです。これでは、女性たちが職場で、家庭で、高いパフォーマンスを発揮することが難しくなってしまいます。それどころか、睡眠不足は健康づくりの障害となりかねません。

乳眠不足に陥らないために、寝相で動くバストを優しく固定し、肌触りのいい素材からできていて、自分の大きさや形にあった、寝る際の「ナイトブラ」の着用をお勧めします。別の調査によると、ナイトブラの着用女性は7人に1人とまだ少ないものの、「バストに自信がある」女性はナイトブラ派の割合が高く、性格面でもポジティブでアクティブな前向き女子は、ナイトブラ派に多数だったといいます。

また、ほかの調査によると、入眠のためのルーティン「トイレ」「歯磨き」「パジャマ」のうち、女性の約8割がこの3つをすべて実践。睡眠満足度が高く、パートナーとの関係も良好で愛されている実感がある女性も、この3つの習慣の実践派が多かったといいます。いつもの何げない習慣でまずは入眠を導き、さらに乳眠を心がけることでより健康的な生活を送りましょう!

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。