交際が長いほど離婚しない/森田豊の健康連載

<ドクター森田の「健康になりなさい!2019」(9)>

米国のエモリー大学のチームが3000人の夫婦を対象に行った研究結果によると、「離婚率と結婚前の交際期間は反比例の関係がある!」らしい。

発表によると、1~2年以上の交際を経て婚約したカップルは、交際期間1年未満で婚約したカップルと比べて、離婚する確率が20%低いようです。さらに、3年以上の交際を経て婚約したカップルは、交際期間1年未満で婚約したカップルに比べて、離婚する確率が39%低いという驚くべき!? 研究結果が出ています。

あくまで確率論ですが、離婚を避けたいと考えるのであれば、交際期間が長いほうが安心できる、と言えるかもしれません。

男女が恋に落ちるとフェニルエチルアミンやドーパミンといった「恋愛ホルモン」が分泌され始め、これらが分泌されるのは長くても約3年と言われています。また、エンドルフィンやセロトニンという「愛情ホルモン」があり、前者は落ち着き、安らぎを感じ、後者は幸福感、安定を感じる作用があります。たとえ、恋愛ホルモンの分泌が少なくなっても、穏やかな愛情ホルモンの働きで関係性を維持できるのなら、交際期間は長ければ長いという考え方もできるわけです。

また、興味深い研究結果があります。「交際開始から初めてセックスするまでの期間が長いほど、カップルは長期的により幸せな関係を築ける」という結果が明らかになったというものです。米国コーネル大学のチームが約600組の結婚または同居カップルに「幸福度」を調査。互いにコミュニケーションがとれているか、性生活に満足か、初めてセックスするまでどれだけ待ったか、などを質問。すると、3組に1組が交際後1カ月以内に身体の関係に至り、28%は半年以上待ったという両極端な結果になったようです。

回答を分析すると、初のセックスまで長く待った女性ほどより幸せを感じており、性生活の満足度でも、6カ月以上待ったグループのほうが、最初の1カ月でセックスしたグループより高い、という結果でした。何事も「急(せ)いては事を…」と言えそうです。

◆森田豊(もりた・ゆたか)1963年(昭38)6月18日、東京都生まれ。秋田大医学部、東大大学院医学系研究科修了。米ハーバード大専任講師を歴任。現役医師として活躍すると同時に、テレビ、ラジオでコメンテーターとして出演多数。テレビ朝日系の人気ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」の医療監修をドラマ立ち上げの時から務め、今年10月に新シリーズを迎える。気分転換は週2回のヨガで、15年あまり継続。インスタグラムdoctormorita、ホームページmorita.proなどで情報発信中。