糖尿病、歯周病…Wでよくない/安達純子コロナ連載

 

<医療ジャーナリスト安達純子「Withコロナで健康管理」(36)>

コロナ自粛に伴い、運動不足や食生活の乱れ、通院をやめるなど、健康に悪影響を及ぼすような状況に陥っている人は少なくない。新型コロナ予防は重要だが、生活習慣病などの健康管理も大切といえる。そこで、Withコロナでの健康管理について考えていく。

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新型コロナウイルス感染症では、高齢者で糖尿病のような持病を抱えていると重症化しやすいといわれる。一方、歯周病を抱えている人も、新型コロナで肺炎を起こしやすいとの指摘もある。今回は、糖尿病と歯周病について考える。

「糖尿病があると歯周病が悪化し、歯周病があると糖尿病は悪化します。このスパイラルを断ち切るには、両方を同時に治療することが重要なのです」とは、栗原クリニック東京・日本橋の栗原毅院長。生活習慣病の診療や研究を数多く行い、薬に頼らない改善の指導も積極的に行っている。 歯周病は炎症に関わる伝達物質(サイトカイン)を放出し、それが血液に入ると、血糖値をコントロールするインスリンの働きが悪くなって高血糖へとつながる。一方、糖尿病で高血糖状態が続くと、歯茎の毛細血管が弱くなって炎症を引き起こすことで、歯周病が悪化してゆく。糖尿病の人は健康な人よりも、歯周病のリスクは2倍以上になる。

「糖尿病と歯周病があると悪循環に陥りやすいのです。加えて、脂肪肝があると、さらに負のスパイラルに陥りやすい」

脂肪肝は、肝臓に脂肪が20%以上たまった状態。最近は、飲酒ではなく食事による非アルコール性脂肪肝の人が増えているという。

「歯周病、糖尿病、脂肪肝を同時に改善すると、それぞれの相互効果で改善に期待が持てます。放置しないようにしましょう」

3つを悪くする食習慣もある。それは次回紹介する。