<医療ジャーナリスト松井宏夫氏が渡部芳徳氏に聞く「コロナうつ」(27)>
世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス。未曽有のパンデミックに緊急事態宣言も発令され、社会のあり方が大きく変化している。他者とのコミュニケーションのあり方も大きく変化し、終息も見通せない重圧が続く。メンタルヘルスへの影響も懸念される中、「コロナうつ」との言葉も生まれた。長期化する「新たな生活様式」の中での「心」の問題とは。市ヶ谷ひもろぎクリニックの渡部芳徳理事長に聞いた。
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うつ病の“予防”として重要なのは「食事」「運動」「睡眠」「ストレス解消」。これは、実は自分自身ができる“治療”としても重要な役割を担っているので、しっかり実践してください。
今回は、食事に注目。うつ病の大きな原因は脳内のセロトニン不足。しかし、抗うつ薬は脳内のセロトニンそれ自体の分泌量を増やすわけではありません。体内のセロトニンを増やす唯一の方法は、セロトニンの原料になるトリプトファン(必須アミノ酸の一種)を含んでいる食品を取り入れることです。
トリプトファンを多く含んでいる食品は、バナナ、牛乳・乳製品、卵黄、ナッツ類、大豆製品、赤身の魚(マグロ、カツオ、ブリなど)、ゴマなど。しかし、トリプトファンを多く含んだ食品を食べたから、すぐにセロトニンが増えてうつ症状が改善されるわけではありません。摂取したトリプトファンが体内でセロトニンに変わり、活発に働くにはビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなどさまざまな栄養素が必要です。つまり、栄養バランスの良い食事ということになります。
1日3食のバランスの良い食事。とりわけ、朝食が重要です。1日の活力・気力・行動力のレベルを決めるのは朝食と言って過言ではありません。重要な朝食では、必ず良質なタンパク質を摂りましょう。それは、脂身の少ない肉、卵、大豆製品、アジ、サンマなど。ご飯にみそ汁、目玉焼き、納豆、サラダといった朝食などはお勧め。ご飯は玄米や五穀米がよりお勧めです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)