マインド最大のポイント「自己肯定感」身体に良い行動の習慣化に重要/松井宏夫健康連載

健康連載「コロナ禍の今こそ・行動変容」

<医学ジャーナリスト・松井宏夫「コロナ禍の今こそ行動変容」(16)>

生活習慣病知らずの自分らしい人生を送るには、「マインド」「運動」「栄養」「睡眠」の4つのアセットが重要です。その4つの中心がマインド。生活習慣を変えるには、自分を見つめなおし、自分自身を理解し、認知することです。

そして、最大のポイントは「自己肯定感」を持つこと。自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定し、認める感情のこと」です。すぐれたところばかりではなく、自分の弱いところを認めて許すことができるのも、自己肯定感にとって大切な要素です。

自己肯定感について、日本、米国、中国、韓国を比較した「高校生の心と体の健康に関する意識調査」(国立青少年教育振興機構)が出ています。それによると、日本の若者の自己肯定感の低さが顕著にあらわれています。

自己肯定感が欠けていると、どれだけ身体に良い習慣を身につけようとしても、それを習慣化させることはできないのです。自分のあり方を評価し、存在意義や価値を肯定することが、良い行動を身につける秘訣(ひけつ)です。

これはちょっと考えればわかることですが、自分を大切な存在だと思えないのに、自分の身体のためになる習慣を身につけたいと思いますか。これまでの習慣を変えたいと思いますか。自分を大切な存在だと思うからこそ、自分の身体を大切にする行動を選び取ることができるのです。自己肯定感のあること、高めることが習慣化に重要なのです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)

◆横山啓太郎(よこやま・けいたろう)1958年(昭33)生まれ。63歳。慈恵医大晴海トリトンクリニック所長。東京慈恵会医科大学卒。日本腎臓学会、日本透析学会でガイドライン策定の中心的な役割を演じ、薬物療法の効果と限界を痛感し、2016年(平28)に日本の大学病院で初めての行動変容外来設立。新しい試みを「健康をマネジメントする」などの著書で発信し、薬のみに頼らない健康メソッドを科学的に体系化している。21年から東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授も兼務。