「指立て伏せ」で握力強化 ペットボトルや瓶のフタ開けづらくなったら要注意/鎌田實健康連載

鎌田式・人生を愉しむ極意

鎌田式人生を愉しむ極意<5>

■指立て伏せ

2020年春、滋賀医科大学のチームが、全国1981人を対象にコロナ前との体調の変化を調査しました。結果、「体重が1キロ以上増えた」と答えたのは男性17・4%、女性27・4%。「体を動かす量が減った」は、男性23・5%、女性30・5%でした。

「フレイル」とは、いわゆる「虚弱」のこと。加齢に伴って身体の能力が低下し、健康障害を起こしやすくなる状態です。筋肉量が減って筋力や身体機能が低下し、特に高齢者の身体機能障害や転倒リスクを増やします。

佐賀県には「鎌田健康塾」があります。塾生は何と1000人。鎌田式スクワットやかかと落としを行い、半年に1度、認知機能や筋肉量などを検査し客観的なデータを出しています。

開校から3年が経ち、皆3歳年をとり、その間コロナで2年程ステイホームしていたにも関わらず、塾生たちの筋力はむしろ強化されていることがわかりました。しかし、握力が低下していることもわかったのです。

■握力を強化しよう

握力と寿命は関係しているという論文もあります。全身の筋肉の強弱が起きる前の前兆として、握力が落ちるとも言われています。ペットボトルや瓶のふたが開けづらくなったら要注意。

「60代からの鎌田式ズボラ筋トレ」(エクスナレッジ=写真)に、握力強化の大切さを書きました。その中から今日は、「指立て伏せ」をご紹介します。

壁から70センチ程離れて立ち、壁に指を立てて腕立て伏せをしましょう。1セット10回。握力、指の力、腕の力が強化されます。この本には高齢者にもできる20の筋活が書かれています。貯金より貯筋が大切です。