心臓ロボット手術<9>
私たちが心臓疾患に対して、どのようにロボット手術(ロボット支援下手術=ダヴィンチ)を行っているか、前回紹介しました。今回は、心臓ロボット手術でどのようなメリットが得られているのかを紹介します。
メリットは大きく4点。<1>「手術の傷口が小さい」<2>「大きく切開する手術と比べて出血量が極めて少ない」<3>「術後の痛みが少ない」<4>「術後の体力回復が早い傾向にあり、術後1週間で退院できる」です。
ロボット手術は1センチ程度のキーホール(鍵穴)を3つ開け、そこからロボットアームや内視鏡を挿入します。それが<1>の状態なので、患者さんの身体に負担が少ないのです。
<2>は、心臓ロボット手術は小さなキーホールを開けるだけなので、出血量は40 CC程度。これが、右の肋骨(ろっこつ)下を6センチ程度切開する小切開手術では、出血量が150~200 CC程度。そして、胸の真ん中を切り開く開胸手術となると、出血量は500~1000 CCと多くなります。
<3>の術後の痛みが少ない理由は、身体の切開部の小ささだけではありません。心臓ロボット手術でのロボットアームなどは肋骨の間を通すので、骨も神経も切りません。一方、小切開手術は肋骨と肋間神経を切りますし、開胸手術は胸骨と神経を切ります。開胸手術は骨がくっつくまでに2カ月はかかるので、最も痛みが長く続きます。
<1><2><3>があって<4>があります。入院期間は、心臓ロボット手術が1週間、小切開手術が10日間、開胸手術が2週間です。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)