4つの穴だけで冠動脈バイパス手術が可能/渡邊剛・心臓ロボット手術

 

心臓ロボット手術<16>

日本では、心臓ロボット手術(心臓ロボット支援下手術=ダヴィンチ)が保険適用で行える多くの疾患は「僧帽弁閉鎖不全症」で、手術は「弁形成術」に限られています。加えて、僧帽弁の手術とともに三尖(さんせん)弁の手術を同時に行う場合も保険適用になります。

ただ、保険適用ではなくても心臓ロボット手術を受けたいという方に対して、私たちチーム・ワタナベは「冠動脈バイパス手術(CABG)」「心房中隔欠損症の手術」を自費診療で行っています。今回は冠動脈バイパス手術を紹介します。

冠動脈バイパス手術は、みなさんよくご存じの通り狭心症や心筋梗塞の手術として行われています。狭くなったり詰まったりした冠動脈にバイパスを作って治療するものです。この場合、私たちはダヴィンチを使ったロボット手術で対応しています。小切開手術ではなく、ダヴィンチは1センチ程度のキーホールが4つだけです。

4つの穴だけで冠動脈バイパス手術が可能です。冠動脈バイパス手術の中では、最も身体に優しい手術。だから、私たちが行うこの手術では、患者さんが退院するまでの日数は3日から7日と極めて短いのです。

冠動脈バイパス手術の日本全体での成功率は98・1%。私たちの成功率は99・7%です。安全な手術を行うことはすべて患者さんへの思いからです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)