つまようじだけでは歯の病気は防げない/歯学博士・照山裕子「口の保健室」

 

照山裕子・口の保健室<8>

年齢を重ねると、若い頃に比べて歯と歯の隙間が広くなった、食べ物が挟まりやすくなったという実感をお持ちの方は多いのではないでしょうか。こうした部分は歯周病や虫歯の好発部位になるため、「必ず歯間ケアをしてください」とお伝えするのですが「つまようじではダメなのか」という質問がいまだになくなりません。

太古の昔、木の枝で歯を磨く習慣がありました。恐らく同時に、隙間を掃除するツールとしてつまようじも誕生したのではないかと考えられています。解熱や鎮痛成分を含む植物からつまようじを作り、かむことで虫歯の痛み止めを狙っていたという説もありますが、現在量産されているつまようじの材料にはこうした効能はありません。海外で販売されているつまようじはその国の文化を反映しているとされ、ミントやレモンなどのフレーバーが添加されているもの、使用後に食べられるものなど実にさまざまです。

食後のエチケットとして、一時的に詰まったものを取る目的としては世界共通の使い方ですが、これだけで口の病気のトラブルが全て防げるわけではないと思ってください。つまようじに慣れている方におすすめなのは、自宅では歯間ブラシを使う習慣です。

1日1回、タイミングとしては夜のケアに使うのがベストです。歯間ブラシ初心者は、小さめのものからトライしてみてください。同じ人の口の中でも、場所によって最適なサイズや入れる角度が異なります。かかりつけの歯科医院に相談し、自分に合ったものを複数選択してもらうと安心です。合わないものを無理やり入れると痛みの原因になったり、歯ぐきを逆に下げてしまうリスクもありますから、まずは鏡を見ながらゆっくり出し入れする練習です。