減塩で認知症予防も/医療ジャーナリスト安達純子「メタボを退ける」

 

安達純子・メタボを退ける<18>

塩分の取り過ぎは体に悪い。さて、どの程度悪いか。世界保健機関(WHO)によれば、血圧の上昇(高血圧)、心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)、胃がん、肥満、骨粗しょう症、腎臓病などのリスクを挙げる。

「1日平均の食塩摂取量を5グラム未満にすると、さまざまな病気予防につながります。認知症予防になることも明らかにされています」とは、東京都健康長寿医療センターの原田和昌副院長。高血圧や心臓病の診断・治療・研究を数多く行う。

「英国では、国を挙げて減塩に取り組み、20年間で認知症の患者が3割も減ったと報告されています。減塩は、単に高血圧の改善・予防ではなく、さまざまな病気を防ぐために重要といえるのです」

日本の認知症患者数は2025年に約700万人になると推計。高齢社会では、その後も右肩上がりで増える可能性が大きい。認知症に関しては、アルツハイマー型認知症の新たな治療薬が、今年国内で承認されて話題となった。医学は進歩しているが、誰もがその恩恵を受けられるとは限らない。薬で効果が得られない場合も考えられるからだ。

「認知症の予防法はいろいろといわれていますが、減塩もそのひとつとして考えましょう。今日からぜひ塩分の控えめを心がけていただきたいと思います」

刺し身につけるしょうゆは少し。焼き魚にはレモンなどで味付けを。みそ汁やラーメンは、減塩してある食品を選ぶなど、ちょっとした見直しで減塩は可能だ。塩分少なめの心がけを継続することで、数多くの病気を一気に退けよう。