前頭葉を守れ/医師で作家・鎌田實の「鎌田式 究極の若返り健康術」

健康連載 鎌田式究極の若返り健康術

「鎌田式 究極の若返り健康術」<47>

前頭葉を鍛える方法として、中高年なら短期記憶の訓練、「脳トレ」なども有効です。単純な計算を繰り返すことは前頭葉を育てるとされており、難しい論理を覚え込むよりお勧めです。

家庭でも、複数の料理を同時進行で作れていた人が、鍋を焦がしたり、味付けを間違えたりすることが多くなったら、ワーキングメモリーの低下が疑われます。

・「前頭葉」の活性化

このワーキングメモリーの状態を大まかに診るため、ぼくは外来で次のようなテストをしています。

「今から言う4つの数字を覚えておいて下さい。0、3、4、1」そしてしばらく別の話をして、最後に質問します。「先ほどの数字を覚えていますか。その数字を反対から言ってみて下さい」答えは「1、4、3、0」。

紙に書かれた数字を反対から読むのは簡単ですが、口頭で言われた数字を記憶し、それを思い浮かべながら反対に言うのは難しいことです。ワーキングメモリーが正常に働いていなければなかなかできません。

認知症を発症する前段階に、軽度認知障害(MCI)という状態がありますが、この段階に手を打てば、年齢相応の認知機能に戻せるといわれています。

・前頭葉を鍛えるためには、新しい料理に挑戦する

小説や映画を見ながら、複雑な展開を楽しみ、感動する。そして運動すること。これがとても大切なことです。前頭葉が若返ってくると、集中力や自分をコントロールする能力や相手に共感する能力が出てきて、生きていくのが楽になっていきます。