光って見つける検査法/「男性に多い膀胱がんを知ろう」近畿大学病院泌尿器科・藤田和利主任教授

男性に多い膀胱がんを知ろう

「男性に多い膀胱がんを知ろう」<12>

がんの診断にはいろいろな検査方法があります。その1つが「PET-CT検査」で、がんをミリ単位で発見できます。今回は「膀胱がん」のPET-CT検査を紹介します。

がん細胞は正常細胞より分裂が盛んなので、よりたくさんのブドウ糖を消費します。その性質を利用してブドウ糖に似た薬「18F-FDG」を注射し、がん細胞が18F-FDGを取り込むとピカッと光ります。それを見つけるのがPET-CT検査です。

ただし、PET-CT検査には発見しやすいがんと発見しにくいがんがあります。甲状腺がん、大腸がんなどの発見は得意ですが、腎盂(じんう)・尿管・膀胱がんなど、泌尿器のがんはわかりにくいのです。それは18F-FDGが尿に分泌されてしまうとがんと関係なく光ってしまうからです。そのため、基本的に血尿が出たからと言って「膀胱がん」を疑ってPET-CT検査を行うことはありません。

ただし、特殊な場合に膀胱がんでもPET-CT検査が行われます。例えば、膀胱がんで膀胱を取る手術をし、そこでがん転移がわかると治療法が変わります。転移があると膀胱を取らずに、全身の化学療法になります。そういう場合は判断が難しいときがあります。リンパ節が腫れているように見えるが、膀胱がんが原因かどうかがわからない。この時に、PET-CT検査で診断が可能です。PET-CT検査で転移がハッキリすると、手術はしないで化学療法になります。リンパ節だけへの転移であれば手術ですが、遠隔転移の場合は手術を行いません。

膀胱がんの場合、PET-CT検査はがんがかなり進行している患者さんにとっては有用な検査となりますが、一般的には通常の全身のCT検査で、がん転移の診断は十分可能です。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)