「男性に多い膀胱がんを知ろう」<21>
「膀胱(ぼうこう)がん」が早期に発見できず局所進行がんになると、膀胱を全摘する「膀胱全摘除術」が行われます。全摘除術は膀胱がなくなるので、膀胱の代わりを作ることになります。それには大きく分けて、<1>「回腸導管造設術」、<2>「新膀胱造設術」の2つの方法があると紹介し、説明してきました。ただ、そのほかにもいろいろ条件はありますが、「尿管皮膚ろう造設術」も行われています。今回は尿管皮膚ろう造設術を知ってもらいたいと思います。
尿管皮膚ろう造設術は2つの方法とは異なり、小腸の回腸を使うことなく行えます。腎臓が1つだけの場合は尿管を直接皮膚から外に出してストーマ(人工の尿の排せつ口)をつけます。2つの腎臓があって左右の尿管を使う場合は、片側にまとめて1つのストーマにつなぎます。この時は、ストーマの開口部が狭くなりカテーテルを留置することがあります。その場合は、月に1回はカテーテルを交換するために通院が必要となります。その点では、回腸導管造設術のほうが患者さんにとっては良いでしょう。
また、尿管の長さが足りなくて1つのストーマにできないときは、おへその左右にストーマをつけます。ストーマが2つになるので、1つよりも生活の質は低下します。
では、尿管皮膚ろう造設術の対象になるのは、どのような患者さんなのか-。いくつか条件があります。「片方の腎臓を取って、膀胱も取る患者さん」「以前に腎臓を取ってしまって片方の腎臓しか残っていない患者さん」「子宮がんで以前に放射線治療を受けていたなどで、腸が癒着している患者さん」「回腸を切る手術が体力的に困難な患者さん」。このような方々が、尿管皮膚ろう造設術の適応になります。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)