副作用さほどない放射線治療も/「男性に多い膀胱がんを知ろう」近畿大学病院・藤田和利主任教授

男性に多い膀胱がんを知ろう

「男性に多い膀胱がんを知ろう」<22>

がん治療の3本柱は「手術」「化学療法」「放射線治療」。ここまでは「膀胱(ぼうこう)がん」の手術を紹介しました。今回は、放射線治療を取り上げます。膀胱がんの放射線治療の目的は2つ。<1>完治を目指す<2>がんによる痛みを緩和することです。

「がんによる痛みを緩和する」ケースは、膀胱がんが骨に転移して痛む時です。かなり進行した場合の放射線治療ですので、完治ではなく、症状の緩和が目的となります。

「完治を目指す」ケースは膀胱全摘をすべきですが「手術は受けたくない」という方や慢性疾患を抱えている方は膀胱全摘は大手術となるのでなかなか手術が難しい。このような場合、放射線治療の方法はいろいろありますが、最も行われているのは抗がん薬と放射線治療を併用する「化学療法併用放射線治療」です。

私たちは抗がん薬の点滴投与を1週間のうち5日間行い、その後2~3週間空けて、2回目の点滴投与を5日間行います。一方、放射線治療は月~金の5日間放射線を外照射し、それを6週間続けます。膀胱がんのみならず、リンパ節にも照射します。治療は1カ月半くらいで終わりますが、その後は、「CT検査」と「膀胱鏡検査」を3カ月に1回は行っていきます。

この放射線治療での副作用はそれほどありません。長期で見ると「膀胱から血尿が出る」、腸管への障害で「下痢、血便が出る」など。放射線治療で完治される患者さんもいますが、やはり再発される方が多いのが現状です。治療を受ける時は、それを十分に理解した上で受けてください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)