信じてはいけない「疲れると血尿」/「男性に多い膀胱がんを知ろう」近畿大学病院・藤田和利主任教授

男性に多い膀胱がんを知ろう

「男性に多い膀胱がんを知ろう」<28>

“がんは死に結び付く怖い病気”ですが、早期に発見すると決して怖がることはありません。今回は、「膀胱(ぼうこう)がんの早期発見法」の「血尿に気付くベストな方法」にスポットをあてます。

血尿を発見する第1歩は「尿検査」です。職場検診でも受けられますし、市区町村では「特定健康診査」も行われています。年に1回の尿検査で陽性であれば泌尿器科をきちっと受診してください。ただし、尿検査が陽性でがんが発見される可能性は1%程度です。

膀胱がんの確率がグンと上がるのは、無症候性の真っ赤な肉眼的血尿が出たときです。その時は泌尿器科を受診し、必ず「膀胱鏡検査」を受ける必要があります。放っておいて血尿が止まると「問題なかった」と思う人がいます。それは膀胱がんを進行させます。

そして、この無症候性の血尿を発見するには、トイレで尿のチェックをする必要があります。最近は、男性も洋式トイレで立ってするのではなく、座って排尿をし、尿の色をチェックすることなく流してしまう人が多いです。座って排尿をし、血尿が水と混ざっても血尿はすごく赤いので水を流す前に確認すればわかります。

血尿ではなく「血の塊が排尿時に出た」と言って受診された患者さんもいます。膀胱鏡の検査をすると膀胱がんが発見できました。

加えて、気にしてほしいのは「長引く膀胱炎」。膀胱炎の症状は排尿時痛、頻尿などです。抗生物質を服用すると1週間で治りますが、3週間、1カ月と続くと膀胱がんを疑って泌尿器科を受診しましょう。膀胱炎を内科で診てもらっている患者さんもいるからです。

そして、今回の最後に、「疲れると血尿が出る」という都市伝説について-。疲れたからと言って血尿が出ることは決してありません。都市伝説を信じてはいけません。血尿が出たときは、どこかに異常があるので、必ず泌尿器科を受診してください。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)