ステインが着きやすい人 まずは歯科医院で適切なプロケアを/歯学博士照山裕子

歯学博士照山裕子の100歳まで食べられる歯と口の話

「100歳まで食べられる歯と口の話」<23>

喫煙者、色素の濃い飲料(赤ワイン、コーヒー、お茶など)を好む方など、歯にステイン(着色汚れ)がつきやすいタイプの患者さんは一定数います。こうした悩みを解決するために、通販などでは実に沢山のアイテムが売られています。規格に則って作られた医療器具と異なり、形状も材質もさまざまです。安全性がわからない以上、専門家としてはこうしたツールはおすすめしづらいというのが正直なところです。自力で剥がそうとして、かえって歯を傷つけてしまうことがないよう、まずは歯科医院で適切なプロケアを受けましょう。

その後行うセルフケアに関しては、歯のコンディションによって気を付けるべきポイントがあります。

これまでの研究によって「ステイン予防には清掃剤(研磨剤)配合歯磨剤の使用が効果的である」と報告されています。清掃剤の代表例は炭酸カルシウムや無水ケイ酸などですが、これらはステインよりも硬度が高く、歯のエナメル質よりも硬度が低いので、理論的には歯を傷つけずに機械的にステインを取り除くことが可能です。しかしながら実際の口の中では、細菌の代謝や唾液の恩恵によって、脱灰(歯の表面からカルシウムやリン酸が溶けだすこと)と再石灰化(再び取り込まれること)が絶えず起こっています。酸性状態にさらされ硬度が下がっている歯面では、清掃剤で歯が摩耗するという文献もあります。脱灰が生じる「臨界pH」よりも低いpHをもつ歯磨剤もあるため、こうした製品でだらだらと長時間磨きつづけることがリスクにつながる可能性も否定できません。

歯磨剤を使わずしっかりプラークを取り除き、その後、清掃剤配合の歯磨剤を使用してさっと仕上げという方法が安心です。複数の歯磨剤を同時に使うと、相互作用によって効果が打ち消し合うことがあります。1ケア1種類にとどめましょう。