認知症の種類の鑑別も大切/医療ジャーナリスト・安達純子

新薬登場で重要度が増す認知症の早期発見と予防

「新薬登場で重要度が増す~認知症の早期発見と予防」<4>

昨年来登場している認知症の新薬は、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)と軽度認知症を治療対象としている。それだけに早期発見・早期治療が重要になるが、認知症といってもレビー小体型認知症のように、アルツハイマー病以外の原因もある。その鑑別も重要で、簡単に鑑別できるAIを用いた支援ツールを筑波大学付属病院認知症疾患医療センター部長の新井哲明教授が、IBMリサーチと共同で開発している。

「レビー小体型認知症にも進行を遅らせる治療薬がすでにあります。しかし、進行が早く症状も多岐にわたり生活の質も低下しやすいため、早期発見・早期治療が大切になります。アルツハイマー病の新薬が登場したことで、鑑別診断がより重要になっています」

こう話す新井教授は、2024年5月、音声感情表現の低下からレビー小体型認知症をAIで鑑別する新たなツールを開発した。

「レビー小体型認知症は、筋肉の動きに障害が現れやすく、音声の感情表現にも独特な特徴があります。それをAIに機械学習させたことで、鑑別診断ツールができました」(新井教授)。

たとえば、セリフ文を含む文章を朗読するときに健常な人は、地の文章とセリフ文で感情を織り交ぜながら表現できるだろう。簡略にいえば、レビー小体型認知症の人は、セリフ文を感情豊かに表現することができなくなり、声も小さくなる。もちろん、早期段階では微妙な変化だが、AI鑑別診断ツールはその変化を捉えることができるのだ。診断支援ツール開発はさらに進行中だ。