いまさら聞く!整形外科のトクする話<11>
日本整形外科学会代議員で「骨粗しょう症」に詳しい秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座の宮腰尚久教授に聞いた。
「そもそも『骨粗しょう症』が危険視されるのは『骨折』が起きるためで、その原因の多くは『転倒』です。ということは“転倒さえしなければ”多くの人は骨折しなくても済むというわけですが、『サルコペニア』があり、そのために生じる『バランス障害』が問題なのです」(宮腰教授)。
加齢によって筋肉量も筋力も低下した状態が「サルコペニア」だ。
「なぜなら『骨粗しょう症』では筋肉の具合も悪くなっている可能性があるし、運動器としてのバランスをとる力も衰えてしまっています。さらに、骨粗しょう症では、単に生活に悪影響を及ぼすというだけではなく、生命予後、つまり寿命にも関係することがわかってきました」(宮腰教授)。
宮腰教授によると、近年海外で行われた大規模研究では、骨粗しょう症の骨折は、それがどの部位であってもほとんどが生命予後を短縮させることがわかっている。寿命が短くなるのだ。また、「椎骨」の前の部分である「椎体(ついたい)」は骨粗しょう症の代表的な骨折で頻度も高く、ここがつぶれると短くなる。
「骨折は複数起きることも。起き上がった状態では背中が大きく曲がる(後弯=こうわん)。後弯になると身長が低くなるのです」(宮腰教授)。