いまさら聞く!整形外科のトクする話<12>
サッカーJ2ブラウリッツ秋田のチームドクターなどを務め、「骨粗しょう症」に詳しい秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座の宮腰尚久教授はこう話す。
「椎体(ついたい)骨折を起こすと腰や背中に強い痛み(腰背部痛=ようはいぶつう)が生じ、転倒しやすくなるほか、腹部の圧迫で胃食道逆流症などの内臓疾患のリスクも高まります。これらによっていわゆる『生活の質(QOL)』が低下し、それがずっと続くことになるのが怖いところです」(宮腰教授)
「椎体骨折」の発生率は、国内では2015年に鳥取県境港市で、2020年に広島県呉市でそれぞれ行われた調査研究が有名で、それによるとたとえば80歳の女性が100人いると、そのうち年間3人ほどが骨折してしまっている。
「これはかなり大きな値だととらえることができますが、どちらの地域も女性だけでなく男性においても、加齢とともに椎体骨折は増加しています。また、椎体骨折には外傷歴がなくても生じることがむしろ多いという特徴があります。それはたとえば“たまたま”エックス線検査をしたら骨が潰れていた、という場合がそうですが、“知らず知らずのうちに起きていた”可能性があるのです」(宮腰教授)。
ちなみに日本人の椎体骨折の有病率は21・8%とおよそ5人に1人というデータがあるとのことで、欧州や北米とほぼ同じだと宮腰教授は指摘する。