転移しやすい食道がん<11>
「食道がん」で重要な検査の「内視鏡検査」「CT(コンピューター断層撮影)検査」はすでに紹介しました。今回は「PET-CT(陽電子放射断層撮影)検査」にスポットをあてます。
PET-CT検査は1回の検査でほぼ全身を見ることのできる検査です。がん細胞は分裂をさかんに繰り返しているので、正常細胞より数倍のブドウ糖を摂取します。それを利用してブドウ糖もどきの放射性薬剤を投与し、身体の中で異常にブドウ糖が集まっている場所を探す検査です。ブドウ糖が多く集まっているところは染まります。その染まっているところが、がん病巣です。
ただし、がん部分だけが染まるわけではありません。炎症の強い部分にも糖質は集まるので、絶対的とは言えません。加えて、がん部分が必ず染まるかというと、がんがまだ小さいと染まることはないのでわかりません。がんが1センチ以上になってくると確実にわかるようになります。早期がんだとわからないのです。
その点から、私たちは治療後の再発部位を探すのに、PET-CT検査はより重要だと考えています。転移があって治療した後、PET-CT検査で転移部分が消えてくると、治療の効果がでていることがわかります。また、手術後にPET-CT検査をして染まってくると再発の可能性が考えられます。このようなチェックの方が、PET-CT検査の有効性がはっきり出てきます。
食道がんの治療を決めるには、内視鏡検査とCT検査でOKです。PET-CT検査は、手術前と手術後の経過判断のために撮るべきです。(医学ジャーナリスト・松井宏夫)