一生を支える読書という楽しみ/鎌田實

鎌田式 死ぬときに後悔しない生き方

鎌田式「死ぬときに後悔しない生き方」<18>

本を読む楽しみは、文字をもった人類だけに与えられた特権、というのは大げさでしょうか。命が尽きようとするなかでも、本を携える患者さんの姿を見ると、あらためて本が与えてくれる力を実感します。

【オーディオブックで手軽に】

白内障の手術をしてから、近視と乱視が改善したかわりに老眼が進み、老眼鏡をかけて本を読んでいます。ぼくは子どものころからの本好きで、どこに行くにも本は手放せないのですが、オーディオブックの配信サービスを知ってから、よく利用するようになりました。

オーディオブックは耳で聞く読書なので、視力に不安がある人はもちろん、家事をしながら聞くという人も多い。ぼくは講演旅行の新幹線や飛行機のなかで、イヤホンを使ってよく聞いています。

最近聞いてすっかりはまってしまったのは、太田愛の「彼らは世界にはなればなれに立っている」(角川文庫)。以来、太田愛の作品を続けざまに聞いている。

1日30分でも1時間でも、違う世界につれていってくれる読書は、心を満たしてくれる大事な習慣です。

【本は生きる力になる】

読書は、人生の土台を築く習慣です。土台は建物の下に埋まっていて見えないけど、これがしっかりしているからこそ、沈まずに立ち続けることができます。だからこそ死ぬときに後悔が残らないように、読書という習慣で、人生の土台を盤石にしておくといいと思います。